『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 DHBR2020年12月号の特集テーマは「サプライチェーンの競争力」である。

 現代のサプライチェーンはグローバルに張りめぐらされ、最適化が図られてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、その脆弱性が明らかになり始めている。危機に強いサプライチェーンを構築するために、企業は何をすべきなのか。

 ハーバード・ビジネス・スクール教授のウィリー C. シー氏による「危機に強いサプライチェーンを築く法」では、競争力を弱めることなく、サプライチェーンのレジリエンスを高める方法を論じる。

 新型コロナ禍と米中貿易戦争が相まって、経済ナショナリズムが勢いを増している。これによりいま、サプライチェーンの脆弱性が明らかとなり、グローバリゼーションに疑問を投げかけられている。

 ペンシルバニア州立大学助教授のベロニカ H. ビリェナ氏らによる「サプライチェーンの持続可能性を高める方法」では、多国籍企業3社の取り組みをもとに、優れた手法をサプライチェーン全体に広めるためのベストプラクティスを探る。

 完成品メーカーである多国籍企業は1次サプライヤーのみならず、2次以下も含めたサプライチェーン全体にサステナブルな手法が浸透することを求めているが、その実現はなかなか難しい。

 筆者らが、さまざまな業界を代表する「サステナビリティのリーダー」3社を調査したところ、多くのサプライヤーが基準を遵守できていなかった。末端のサプライヤーまで続くサステナビリティをいかに実現すればよいのか。

 コーネル大学サミュエル・カーティス・ジョンソン経営大学院教授のビシャル・ガウル氏らによる「ブロックチェーンでサプライチェーンの課題をどう解決するか」では、既知の関係者に参加者を限定した許可型サプライチェーンにブロックチェーンを用いることで、いかにパフォーマンスを向上できるかを論じる。

 ブロックチェーンは、暗号通貨ネットワークを支えるデジタル記録管理技術として知られるようになったが、実はサプライチェーン管理の分野でも大きな可能性を秘めている。この分野のリーダー企業として、積極的にブロックチェーンを導入している大手企業7社を調査したところ、トレーサビリティの強化、効率やスピードの向上、資金調達の利便性など、大きなメリットがあることが明らかになった。

 ボストン コンサルティング グループ マネージング・ディレクター・アンド・パートナーの内田康介氏による「日本企業のサプライチェーン戦略を再構築する」では、サプライチェーンの効率性と変化への適応力を高めるために何が必要かを明らかにし、日本企業がそれを実践するうえでの課題と解決策を示す。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界中の企業が大きな打撃を受けている。なかでも、グローバルにビジネスを展開する企業への影響は計り知れない。人の集中や移動が大幅に制限されたことで、海外からの原材料の調達が滞ったり、現地工場での生産を停止せざるをえなかったりという事態に直面している。

 ただ、今回のパンデミックが史上類を見ない危機をもたらしたことは事実だが、従来のサプライチェーン戦略の構造的問題が顕在化したにすぎないともいえる。

 パナソニック代表取締役専務執行役員、コネクティッドソリューションズ社社長の樋口泰行氏へのインタビュー「サプライチェーン刷新は組織文化の改革から始めよ」では、ダイエー社長や日本マイクロソフト社長を経て、新卒入社したパナソニックに「出戻り」を果たした樋口氏が、組織変革の全貌を語る。

 国内企業がサプライチェーンを再構築していくには、どうしたらよいのだろうか。パナソニック専務として法人向けのサプライチェーン刷新事業を指揮する樋口氏によれば、経営を近代化するようなシステムを導入していくためには、みずからの企業文化と社員の意識改革が重要だと指摘する。