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年齢を重ねると幅広い経験が蓄積されるだけでなく、子どもが巣立ち、経済的自由も拡大するので、新たなキャリアに挑戦するチャンスを得ることができる。ただし、それを実践するのは容易ではない。本稿では、50代の女性が、残りの仕事人生を最大限に活用するうえで役立つ4つの問いを紹介する。


 筆者は、女性エグゼクティブのリーダーシップ・コーチとして、さまざまな業界で働くパーパス志向の女性たちが、自分の長所と成長領域を発見する手伝いをしている。

 クライアントはあらゆる年齢層におよぶが、とりわけ50代の女性は、子どもが巣立ち、キャリアでは幅広い経験を積み、経済的な自由度も高くなったことから、みずからのキャリアを加速する完璧な時間を手にしているようだ。

 だが、それは「言うは易く行うは難し」であることが多い。50代の女性がキャリアを再活性化し、残りの仕事人生を最大限に活用するために、いま何ができるのか。そこで、仕事上の目標を見直し、それを達成する助けになる4つの問いを紹介しよう。

(1)何も障害がなければ、あなたのキャリアはどのようなものになるか

 50代は人生の後半に投資する時だ。以下の質問について、静かに考える時間を持とう。

・あなたの人生には、あなたの仕事には何が欠けているか。
・あなたはどんな変化を起こしたいか。
・あなたの夢の仕事は何か。
・絶対に失敗しないとわかっていたら、どんな挑戦をするか。
・あなたはどんな人間として記憶されたいか。

 筆者のクライアントには、もっと組織内で昇進したいという人もいれば、新しくてもっとやりがいのある仕事に就くジョブ・クラフティングを考える人もいた。また、組織を完全に離れて起業したり、プライベートに集中したりしたいという人もいた。

 イザベル(登場人物はすべて仮名)は、ある組織の地方支店で技術部門のシニアリーダーを務めている。複数の著書や論文も執筆してきた立派なキャリアの持ち主だ。

 52歳になり、息子を大学に送り出した彼女は、次の10年間を最大限に活用するためのアドバイスを求めて、筆者のところにやって来た。イザベルは、「仕事に投じる時間とエネルギー、集中力、そして自由が増えた」ことに気がついたと話し、「狭いけれども快適な専門領域」から踏み出し、組織のリーダーの役割を担いたいと考えていた。

 息子が家を出ていたので、地元での仕事にこだわる必要はない。そこでイザベルは、国外の求人に応募し始めた。すると半年もしないうちに、外国でリーダーシップのポジションを得た。

 一方、フローレンスは多国籍機関のシニアマネジャーで、職場の不快なトレンドに対する助言を求めて筆者のところにきた。なんでも、彼女より能力も経験も劣る男性たちが、彼女を抜いて管理職に抜擢されているというのだ。

 ただ、現在の組織に対する忠誠心は強く、彼女がリーダーシップの地位に着けば、自分にも周囲にも変化を起こせると感じていた。そこでフローレンスは、積極的に自分の能力をアピールして、組織内のリーダーシップポジションに応募し、1年2カ月後、主要部門の部長職を打診された。