非白人のプロフェッショナルは
人脈づくりをどうとらえているのか

 新型コロナウイルス感染症の発生以前、筆者らはザ・パートナーシップと共同で、職位が中級~上級の米国の非白人300人にアンケート調査を行い、人脈づくりに対する認識と実行頻度を尋ねた。

 交流イベントに参加しなかった理由として、過半数が「多忙すぎた」を挙げ、30%は職務上の都合、17%は交流よりも仕事に集中したいと答え、同じく17%は人脈づくりを「政治的駆け引き」になぞらえた。

 ある回答者は、「自分で費用対効果を分析すると、公私におけるほかの諸活動に比べて、交流イベントは得られるメリットが少ない」という。

 金融サービス業に努める黒人幹部はこう述べている。「私は人脈づくりそのものを得意とする人間ではまったくない。人との関係は主に仕事の観点を通じて築き、それを土台にさらなるつながりを築いていく。自然発生的ではないコミュニケーションには気まずさを感じる。すすんでカクテルパーティーに行って、人々に話しかけるようなタイプではない」

 この調査ではおおむね、人脈づくりを最優先事項としない人が多数派であった。自分のキャリアにおいて必須であるとした人は半数以下であり、キャリア初期の人よりも上級幹部のほうが、人脈づくりを重視する割合はさらに低い(この結果をリンクトインによる2017年のグローバル調査と比べてみよう。80%が人脈づくりはキャリアの成功のために重要と答えている。ただし興味深いことに、回答者の半数は多忙すぎてその時間がないとしており、筆者らの調査結果と似た傾向にある)。

 仕事を優先する回答者らの姿勢は、驚くべき統計として表れている。人脈づくりの活動をした回数が「月1回以下」という人が、82%に上るのだ。

 この人脈づくりの不足は、明らかに代償を伴う。その代償は往々にして、組織で主流ではない人のほうが多く被ることになる。結局のところ、良質な人間関係――ウェルビーイングにもキャリアの成功にも極めて重要だ――への投資を真剣に考えるならば、この頻度では圧倒的に足りないのだ。

 ある黒人のベンチャー投資家いわく、「我々は仕事に黙々と集中するあまり人脈づくりをしていないが、これは自分にとってマイナスだ。誰にどの職を与え、誰に大きなチャンスを与えるかを決める人たちと信頼関係を築くことに、時間を十分に費やしていない。彼らは我々を知らず、つながりができていない。自分が何を達成してきたかを説明する我々の言葉を、彼らは聞いたことがない。だから、高レベルの職を誰に任せるか決める話し合いの中で、我々の存在には言及されない」

パラダイムを変える:
非白人はパンデミック下でどのように人脈づくりを強化できるか

 調査で上述のような結果は出たものの、非白人が参加しやすい交流活動もいくつか浮かび上がった。

 実のところコロナ禍は、より望ましい人間関係を新たに築く機会をもたらしうる。チャンスに関する貴重な情報をくれる人、強みと弱みについて正直に評価してくれる人、昇進の推薦をしてくれる人などと、つながることができるのだ。

 そもそも、調査で回答者らが挙げたハードルの多くは、物理的距離の確保を要するこの時期にはなくなるだろう。たとえば、「イベント会場の立地は出向くには不便すぎる場合が多かった」「特定の交流機会が仕事上の別の用事と重なってしまった」などだ。

 イベントのコストの問題も挙がっている。直接顔を合わせる専門家会議は中断されていても、より安価なバーチャルイベント、地域コミュニティでのボランティア活動、ソーシャルメディアでの交流は早々に増えていくはずだ。

 ほかにも以下のように、非白人がリモートワーク期間中につながりと認知度を保つために使える交流手段がいくつかある。とはいえ、これらの活動は非白人だけでなく、現在リモートワークをしているすべての人に有益となるだろう。