従業員

 ●自分の環境を正しく評価して修正する

 在宅勤務だから自律性を感じるとは限らない。この環境で自律性を得るためには努力が必要だ。

 まず、「仕事」と「家」の明確な境界線を定義しよう(たとえば、「この部屋にいる時」「このヘッドフォンを着けている時」は仕事中とする)。これにより、1日の終わりに仕事から心理的に離れて、家の環境(とマインドセット)に戻りやすくなる。

 これが従業員の幸福とパフォーマンスに有益であることは、研究も示している。「仕事」から「家」に、「家」から「仕事」に、あまりに多くのものを引きずると、両方の領域の本来性とコントロールを損ないかねない。

 ただし、家の中に間仕切りでスペースをつくり、照明を設置して、毎朝同じ時間に「出勤」する必要はない。むしろ、オフィススペースと作業フローを自由にカスタマイズして、できるだけ自分にとって意味のある快適なものにしよう。

 結局のところ、在宅勤務は極めて個人的なことであり、今後何年も仕事の一部になる可能性が高い。

 ●在宅勤務の特権を活用する

 2018年の1年間に、米国人は労働時間のうち、ほぼまるまる2週間を通勤に費やした。通勤に片道90分以上かかる「スーパー・コミューター(超長距離通勤者)」は、実に430万人に上る。車で渋滞にはまること以上に、自律性が制約される経験は数えるほどしかない。

 したがって、この時間を取り戻せば、自律性の感覚を大きく高めることができる。通勤に費やしていた時間の「ボーナス」を利用して、睡眠時間を増やす、家族と過ごす時間を増やす、友人と交流する、趣味を追及する、新しいスキルを学ぶ、運動するなど、個人的な満足度の高い活動を何でもやってみよう。

 重要なのは、この追加の時間を活用して、より本来性を感じ、自分の人生をコントロールできるという感覚を持つことだ。仕事の時間を増やしたくなる誘惑に負けないこと。

 ●セルフケアを忘れずに

 企業や学校が広範囲にわたって閉鎖され、制約の多い公衆衛生政策が取られるなど、パンデミックは人々の仕事や私生活の多くの側面に対し、明らかに個人がコントロールできる範囲を超える指示を出している。

 しかし、自分をどのように扱うかは、自分次第だ。ぜひ、セルフケアを実践しよう。時間とお金と注意力を費やして自分の幸福を向上させることは、ストレスの多い時期は特に重要だ。

 ガソリン代や外食代で浮いたお金を、セルフケアに充てるのもいい。金銭的に余裕がなければ、エクササイズマインドフルネスなど、体と心のコントロールを取り戻すのに役立つ無料のセルフケアもある。

 回復は、より前向きな挑戦の始まりであって、危機の終わりではない。そのためセルフケアは一度きりのイベントではなく、継続的に優先事項とすべきだ。そのことを忘れずに計画を立てよう。