さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大は働く親、とりわけ母親に子どもの教育と世話をどうするかという新たな問題を突きつけてきた。

 仕事をしていても、家事や育児の負担は相変わらず母親のほうが大きいことが多い。そして、そうした家庭の状況は、PCのカメラ越しに覗くことができるようになった。母親はズームのビデオ会議に費やす時間が増え、子どもはテレビやPCの前で過ごす時間が増え、罪悪感はますます募っていく。

 こうした罪悪感を捨てるための努力は、働く母親の長々とした「やることリスト」の最上位にあるべきだ。罪悪感は少しずつ心をむしばみ、睡眠の質を低下させ、憂鬱な気分にし、注意散漫にさせる。

 だが、筆者の働く母親に対するカウンセリングの経験から、ストレスの要因が存在しても、自分のマインドセットや行動を意識すれば、大きな安らぎを得られることがわかっている。そこで、今日から始められる、罪悪感から自分自身を解き放つ方法を紹介しよう。

 ●自分を許す

 罪悪感を捨てるには、まず自分の選択や環境について、自分を責めるのをやめることから始めなくてはならない。下手をすると、罪悪感は恥の意識に変わりかねない。いつも、自分は悪い母親だ、悪い従業員だ、悪い友人だと思っていては、あなたの心が傷ついてしまう。

 そうではなく、なぜその選択をしたのか思い出そう。「○○○について罪悪感を覚える」ではなく、「○○○だから、こうすることにしたのだ」と考えるようにして、前に進もう。

 ●自分自身の価値観を思い出す

 筆者は長年、「子育て上の決断やオフィスでの勤務時間について、罪悪感を覚える」という親の話を聞いてきた。常時接続された在宅勤務でも、それは変わらない。

 最も基本的な対処法の一つは、自分の価値観や人生における優先順位を明らかにして、それに沿った毎日を送ることだ。「私にとって一番大事なこと」を口にする人は多いが、それを実際に大事にして生活している人は少ない。

 たとえば、家族との時間が一番大切だと思っているのに、それが十分でないと感じているなら、家族と過ごす時間を増やす方法を意識的に見つけて、罪悪感を覚えないようにしよう。

 不必要なことには「ノー」と断る練習をすること。子どもの学校の資金集めのイベントのために毎回ボランティアを買って出る必要はないし、同僚とのハッピーアワーの飲み会に毎日付き合ったり(バーチャルの飲み会だとしても)、地域の管理組合で役員になったりする必要はない。

 掃除や洗濯、食事の準備、あるいは犬の散歩のように、すでに自分が引き受けている役割は、子どもと一緒にやろう。週末を意図的に使って、ただ用事を済ませるのではなく、家族のためにまとまった時間を費やそう。

 そうすれば、それ以外の部分でも生活に明確な線引きができるようになるだろう。また、家族の価値観を定期的に見直し(そしてアップデートし)て、自分の望むことに忠実な生活を送れるようになるだろう。