ロボットを出し抜く

 ダイバースフォースのスレイマン・ラーマンCEOによれば、求職者は採用担当者にだけ自分を印象づければよいわけではない。「企業の現場では、書類選考で候補者をふるいにかけるプロセスの自動化が進行している。求職者は、募集要項で使用されている言葉を履歴書に含めたほうがよい」

 企業は人工知能(AI)を活用して、履歴書の記述と職務内容の適合度を調べるようになっている。

 履歴書を送る際は、その会社が募集要項でどのようなことを記しているかに注意を払う必要がある。募集している職の全般的説明に始まり、求職者に要求する資質に至るまで、あらゆることに目を配るべきだ。

 募集要項の文章は、採用側が望むスキルや経験に光が当たるように意図して書かれている。そこで、そうした文章で用いられている言葉を履歴書に盛り込もう。そうすれば、AIをうまく出し抜いて、選考プロセスの第1段階を突破できるだろう。

 ラーマンは、履歴書のレイアウトに凝りすぎたり、デザインを複雑にしすぎたりしてはならないとも指摘する。「型破りなレイアウトの履歴書は、人間が見れば目を引くかもしれないが、AIがキーワードを拾い上げるのが難しい。求職者にとっては、それが不利な材料になりかねない」

 プロのアドバイス

 自分のクリエイティブな面をアピールしたいなら、履歴書でそれを表現しようとするのではなく、オンラインポートフォリオをつくってはどうだろう。カラフルなコンテンツを通じて、キャリアと経験を強調するのだ。履歴書に、オンライン・ポートフォリオのURLを示せばよい。

 それ以外には、ルーム(Loom)のようなクラウドベースの画面録画ツールを使って、自分だけの動画をつくるという方法もある。これも、履歴書にURLを記せばよい。

スキルを印象づける

 履歴書には、その職を務める人材として、自分が最善の人物である理由を表現するストーリーが記されていなくてはならない。魅力的なストーリーはすべてそうだが、このストーリーも冒頭で読み手の心をつかむ必要がある。

 あなたの氏名と肩書の下に、あなたが会社にどのように貢献できるのか、プロフェッショナルとしてどのような人物なのかを手短に記そう。また、主なスキルを記す欄では、自分の強みを強調することが重要だ。その職に特に関係があるスキルに光を当てよう。

 たとえば、次のように書けばよい。

「プロジェクトマネジャー志望。混沌とした状況の中に秩序をつくり出すことを得意としています。『手ごわい』課題に直面すると、エネルギーが湧いてきます。曖昧な状況でも苦痛を感じません。
 複数の分散型SaaS関連のスタートアップ企業でのインターン経験もあります。チームが軌道からはずれないように導くことができ、見落とされがちな問題点に気づき、未知の問題に対してエレガントな解決策を見出すことが得意です。
 リモート環境で、新製品発売のプロセスにおける重要な役割を果たす経験には、胸躍らされました。それでも、テクノロジーの世界における少数派の一人として、ほかの人たちのための道を切り開きたいという思いに突き動かされていることに、変わりはありません」

「履歴書の一番上には、未来志向の欄を設けて、自分が会社にどのように貢献することができ、プロフェッショナルとしてどのような存在でありたいかを記すべきだ」と、フレックスジョブズのキャリア開発マネジャーを務めるブリー・レイノルズは言う。「履歴書のほかの個所では主に過去のことを、これまで何を成し遂げたかを記す。その点、この欄の記述は、履歴書のほかの個所とは大きく性格が異なる」

 リモートワーク関連のスキルを持っているなら、主たるスキルを記す欄に記すとよいと、レイノルズは助言する。「多くの職が少なくとも部分的には、ことによると全面的にリモートワークに転換しつつある。テクノロジー関連のスキルを記す欄では、さまざまなプラットフォームを活用して働けることを示すのが得策だ」

 プロのアドバイス

 ビジネス関連のコンピュータプログラム(「ワード」「エクセル」「セールスフォース」「ワードプレス」など)の使用経験があれば、履歴書に必ず書こう。

 その点では、リモート環境でのコラボレーションツールも同様だ。インスタントメッセージおよびチャットのためのプログラム(「スラック」「チームズ」「グーグルチャット」)、ファイル共有ツール(「ドロップボックス」)、文書作成コラボレーションツール(「ボックス」「グーグルドライブ」)、ビデオ会議システム(「ゴートゥー・ミーティング」「スカイプ」「ズーム」)などを使える人は、しっかりアピールしたほうがよい。