●レッスン1:自宅で仕事をするか、職場で生活するか

 通勤するオフィスがないと、仕事と家庭との境界が曖昧になる。研究によると、人は通勤を1日の中で最もストレスが多く、望ましくないものの一つと評価しているが、まったく通勤がないことも問題を引き起こす。

 筆者らは一連の研究で、外出することで家庭と仕事の切り替えがしやすくなり、また通勤時間がないと仕事と私生活の線を引くのに苦労することを発見した。

 午後6時にコンピュータをシャットダウンして、混雑した電車に揺られて帰る代わりに、多くの人はこれまでより遅くまで働き、「あとメール1通だけ」のはずが2時間以上もノートPCにかじりついて仕事をしている。そして、その増えた勤務時間が必ずしも有意義に使われているわけではない。

 筆者らの研究では、パンデミックの間に以前よりも多くの会議を強いられ、「アジェンダの設定」を過剰にし、創造的なコラボレーションが十分できず、時間を非生産的な仕事に費やしていると回答している。

 仕事は与えられた時間を埋めるために拡大するというパーキンソンの法則の最たる例であり、通勤しないことによって節約できた1日平均53分の時間は、余分で生産的でない仕事にしばしば費やされていた。

 ●レッスン2:時間を節約するか、時間を無駄にするか

 自由な時間を確保しても、その時間は賢く使われないことが多い。

 筆者らの研究では、テレビを見るなどの「受動的余暇(passive leisure)」の活動が劇的に増加した一方で、ボランティア活動や社会的活動などの「能動的余暇(active leisure)」の活動の頻度が減少していた。多少の受動的余暇はリラックスする健全な方法だが、能動的余暇に比べて幸福感を促進しにくいことも筆者らの研究で示されている。

 たしかに、パンデミックは多くの能動的余暇の活動を困難にしている。しかし、ズームでのゲームナイトやハッピーアワー、ソーシャルディスタンスを確保しながら行うスポーツバーチャルボランティアなど、ソーシャルディスタンスのガイドラインに沿って能動的余暇を追求するクリエイティブな方法はたくさんある。

 世界的な危機にあって、リラクゼーションを優先するのは健全なことであり、仕事で生産性を最大化するのに苦労するのは自然なことかもしれない。しかし、部分的に平常な生活に戻った時、時間を節約して自分たちが本当に幸せになれる有意義な活動をするには、どうすればいいのだろうか。

 筆者らは研究を通して、仕事の日に明確な境界線を引き、能動的余暇の時間を増やすのに役立つ方法を見出した。