●リモートワーカー間の不要な調整の最小化

 組織内には、その構造に関係なく、ユニット間あるいはチーム間に多数の相互依存関係が生じる。タスクの遂行や結果の評価において互いを必要とすることは避けられないが、各ユニットへのタスクの振り分け方次第で、相互依存の度合いと、それに付随する調整コストは増減する。

 もちろん、なかには業務上不可欠で、回避できない相互依存関係もある。

 たとえば、技術的に優れ、かつ顧客にとって価値のある製品を作るためには、マーケティングチームとエンジニアリングチームは話し合う必要がある。しかし、なかには不要な相互依存関係もあり、それらを排除し、付随する調整コストを削減することで、リモートチームの仕事がやりやすくなる。

 我々が知るある企業は、リモートで働く自社のJava開発者に3つの大きな業務を任せたところだった。

 業務の1つはカスタマーポータルの改善に関するもので、ほかの2つはコロナに関するものだった。後者の1つは、オフィス内のソーシャルディスタンスを確保するための、従業員の密度を測定するアプリの開発、もう1つは、情報に基づいた隔離措置の判断を支援する従業員向けの接触者追跡アプリの開発だ。

 2つのコロナ関連プロジェクトには、高い相互依存性が存在した(同じコロナ関連というだけでなく、どちらもWiFiネットワーク接続に基づいて従業員の場所を分析することにより成立した)ため、空間密度測定アプリと接触者追跡アプリの開発は同じチームに任せるべきだが、カスタマーポータルのプロジェクトは独立性が高く、別のチームに振ってもよいことが、すぐ明らかになった。

 相互依存性のあるプロジェクトを意図的に同じチームに任せることで、調整が簡素化され、3つのプロジェクトのすべてでスピーディかつ効果的な開発が可能になった。

***

 もちろん、職種によってリモート化しにくいものもある。在宅勤務の外科医の手術をすすんで受けたいと思う人や、犯罪が行われている現場にバーチャル警官を呼ぼうと思う人はあまりいないだろう。

 それでも、チーム全員が同時に同じオフィスに集まる日は、過去のものになりつつある。もうなったといえるかもしれない。新たな仕事の世界を迅速かつ効果的に受け入れることは、企業のパンデミック以降の成功に欠かせないものとなるだろう。


HBR.org原文:Is Your Organization Ready for Permanent WFH? August 18, 2020.


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