日本企業が持つ両極をつなぐ力とは

 最後に両極化が進む時代は、実は日本企業ないしは日本にとって大きなチャンスであることをお伝えしたいと思います。なぜなら、二者択一ではない多様なつながり、階層を築いていく力は、日本の強みだからです。

 言い換えれば、それはものごとを最適化する力です。さまざまなレイヤーで、こちらとは交友関係を結び、こちらとはまた別な文脈で関係を築く。そうして複層的な関係性をつくりながら、最適なバランスを保つのは日本の得意とするところです(図表7)。また、消費者と生産者という両極の間で、品質について折り合いをつけながら高い水準を保つといった課題に対しても、最適化する力が発揮されるポイントです。実際にその力を発揮してきた結果として、ジャパンクオリティー(日本品質)の確立に結び付いたのではないでしょうか。

 日本企業はソーシャル化において後れを取っているということを最初に述べましたが、こうした日本企業が潜在的に持っている最適化する力を強みとして意識しながら、日本のデジタル経営を進化させていけば、経済価値を高めながら社会課題の解決につながる新たなビジネスを生み出すことが可能になります。課題先進国の日本において企業がデジタル経営を推進することにより、課題解決先進国として世界規模の課題解決をリードしていく。そんな姿を目指して、ぜひチャレンジしていきたいところです。