●継続的な改善

 継続的に学習し、実験の結果を自分のプラットフォームに応用していれば、あなたは常に改善し、「永遠の雇用対象者」になりたい領域で優秀になる。

 グーグルのイノベーション・ラボラトリー「X」でムーンショットを統括するアストロ・テラーは、「自分がやることすべてについて、熱烈に懐疑的であるべきだ」と、TEDトークで語っている。つまり、何をやるにも、もっとよい方法はないかを常に探るべきだ。

「熱心な懐疑主義は、無限の楽観主義の対極に位置するわけではない」とテラーは語る。むしろ、両者は完璧なパートナーだ。自分の選んだ職業で自分がどれほど優秀だと自負していても、熱烈に懐疑的であるということは、常によりよい方法を探すことを意味する。

 実際、それは刺激的なプロセスだ。自分の分野で成功している人たちから何が学べるだろう。ほかの分野のリーダーはどうか。彼らは自分のプラットフォームを構築するために何をやり、あなたのプラットフォームに応用できることは何だろう。

 ●再発明

 永遠の雇用対象者になるということは、究極的には再発明を続けるということだ。

 私はデザイナーからデザインマネジャーになり、超一流のデザインマネジャーになろうとしていた。少なくともそれが、私が向かっていた方向だった。ところが、自分の専門知識を共有したために、別のチャンスが舞い込んできた。そして家族のサポートのおかげで、そのチャンスを掴むことができた。

 以来、私は継続的に再発明を行ってきた。現代では、同じ状況にとどまっているものは何一つない。しかも変化のペースは、これまでになく速くなっている。

 約10年前、アマゾンは11.6秒に1回のペースでコードベースを更新していた。つまり、顧客にサービスを提供する方法を1分間に5回発明し直していた計算になる。2015年までに、そのペースはもっと速くなり、ほぼ毎秒コードを更新していた。

 現在はどうなっているかを想像するといい。グーグルは2018年、1日に5億回以上のテストをしていると明らかにした。これは毎日、既存のシステムと新しいシステムを400万回リローンチしているのに等しい。それが現代の変化のペースだ。

 永遠の雇用対象者でいたいなら、再発明を続ける覚悟が必要である。そして、そのサイクルはどんどん短くなっている。

 組織再編は定期的に起きる。レイオフ(一時解雇)もそうだ。新型コロナウイルス感染症はすべての業界に打撃を与えてきた。自動化の波は年々、人間を職場から追い出している。

 だからといって、人間が有用でなくなったわけでも、雇用市場で生き残れなくなったわけでもない。しかし、永遠の雇用対象者であるためには、自分が目指す方向性を意識している必要がある。そして、ここぞというチャンスが到来した時、ためらわずに、すぐに行動を起こせる準備ができていなければならない。

 自分の専門分野における基礎と、その分野に関する徹底的かつ最新の理解、そして頼りになるネットワークがあれば、次の仕事が向こうから舞い込んでくるのは間違いないだろう。

本稿は、筆者の新著Forever Employableを一部抜粋・翻案した。


HBR.org原文:How to Reimagine the Second Half of Your Career, August 18, 2020.


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