『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 DHBR2020年11月号の特集テーマは「ワーク・フロム・ホームの生産性」

 ワーク・フロム・ホーム(在宅勤務)は、個々人の働き方、さらには職場や組織の生産性と創造性にどのような影響を及ぼしてきたのか。コラボレーションのあり方やチームマネジメントは、どのように変化していくのか。

 ハーバード・ビジネス・スクール准教授のイーサン・バーンスタイン氏らによる「オフィスに集まらず生産性をいかに高めるか」では、筆者らの調査から得られた、在宅勤務に関する知見を示す。

 新型コロナウイルス感染症は依然として大きな脅威である。このような状況下、どの組織も「在宅勤務からオフィス勤務へと戻すべきか」、戻すとするならば「どのように戻すのがよいか」を考えあぐねている。とりわけ問題なのは、「在宅勤務は生産性と創造性にどのような影響を及ぼしてきたか」である。

 マイクロソフトのナタリー・シンガー=ベルシュ氏らによる「マイクロソフトのデータが示す在宅勤務の課題」では、社員の日常作業を測定するシステムとアンケートを活用して、想定外の混乱や危機が人々の仕事のやり方に与える影響を調査した結果に基づき、今後への備えを考察する。

 コロナ禍で突然、多くの人がリモートワークに移行し、働き方の見直しを迫られた。一方でこの事態は、仕事はどこまで柔軟性や順応性を持てるか、リモート環境でコラボレーションや人脈はどう変化するかなど、仕事についての学びを得る貴重な機会になっている。

 ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授のナンシー P.ロスバード氏らによる「在宅勤務でワークライフバランスを確保する方法」において筆者らは、時間と空間の2つの面において、型に合わせた対処が必要であると論じる。

 ビジネスパーソンの働き方は、仕事と家庭の境界を曖昧にしがちな融合型と、明確に区別する分離型に二分される。リモートワークの常態化や長期化を想定すると、どちらの型であっても心理的に仕事から離れてリフレッシュすることが難しくなり、積極的に管理する必要がある。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』エディターのケルシー・グリペンストロー氏らによる「オフィスと働き方の変遷」では、HBR読者によるコメントで振り返りながら、オフィスの変遷を4つの転換点からたどる。

 最初は1960年代に普及し始めたキュービクルだ。空間を個人ごとに区切り、集中しやすい環境を構築しようとするものである。70年代にはテレワークが始まる。当初は自宅から近いサテライトオフィスを利用することで、移動の負荷軽減を目的とした。80年代にはPCが登場、働き方を根底から変えた。90年代からはメールによってコミュニケーション方法が大きく変化した。

 プログラマブル・ハビタッツ創設者のジェニファー・マグノルフィ・アスティル氏へのインタビュー「これからのオフィスに何が求められるか」でアスティル氏は、オフィスに必要な機能があらためてあぶり出されたことで、これからのオフィスに何が求められるのか、新たな洞察が得られつつあると語る。

 オフィスには、集中や交流、協働、学習など、場所として複数の機能がパッケージ化されている。企業やビジネスパーソンはこうした機能を利用してきた。ところが、新型コロナウイルス感染症の影響により、数年前から進行していた職場環境の変化が加速度的に進んだ。

「日立は世界中の才能を束ねて『社会イノベーション』を実現する」は、日立製作所社長兼CEOとして人事改革と経営改革を進めてきた東原敏昭氏へのインタビューである。

 日立製作所は、政府が新型コロナ禍による緊急事態宣言を解除した後、国内大手企業としていち早く、在宅勤務を続ける方針を表明した。働き方の制約を取り払い、海外で主流のジョブ型人材マネジメントを推進するためだ。

 さらに今夏、約1兆円規模の買収を完了し、従業員数32万人のうち外国籍が過半を占め、名実ともにグローバル企業となった。日立はどこを目指すのか。