そのたった1つの方法とは何か。それは「ワン・シング」、つまり1つのことだけを考えるというやり方だ。手順は次の通りである。

(1)いつもの長いやることリストを用意する。ここで怯まないでほしい。私の場合、リストには50以上の項目があった。

(2)次にまっさらな紙を用意して、長いリストの中から、あなたが最も達成したいことを、1つだけ書き出す。大きな項目(たとえば「次の本を書く」)を選んだ場合は、それを細分化して、一度に完遂できるタスクをピンポイントで選ぶ(「序文の最初のページを書く」など)。

(3)長いリストは片付けて、自分が選んだ1つのことをやり遂げるまで見ないようにする。

 その1つのことをやり終えたら、線を引いて消す。再び、長いリストを見て次の1つのことを選び、新たに「1つのことリスト」に書く。

 私の場合は、紙とペンを使ってやることで、ことのほか達成感を得ている。紙とペンを使うと、どのタスクもよく理解できるようになるからだ。でも別に、付箋に書いてモニターに貼ったり、アプリを使って1つのことと長いリストを管理したりしても構わない。自分がやりやすいと思う方法で行ってほしい。

 長いリストは、やるべきことをすべて網羅した一覧表だ。一覧表は作業用ではなく、必要な情報を覚えておくためのものである。項目を自由に追加し、必要がなくなったものは削除する。目的は、重要なことを忘れないためであり、そのリストに従って実際に作業を進めることは一生ないだろう。

 1つのことリストには、次に行うタスクを選び出し、それをやり遂げるまで集中し続けるという戦略的な意図が反映されている。ばかばかしいと思うかもしれないが、専用のリストに書き出すことがポイントであり、自分のコミットメントとして最後まで遂行できる可能性がはるかに高まる。

 この方法を使って、私はHBRに掲載する論考を数本執筆し、1週間のリーダーシッププログラムを組み立て、新しいマーケティング担当者を雇い、執筆中の本の企画書を編集し、メールのニュースレターを書き上げ、スピーチの準備をし、クライアント関連と事務的なタスクを複数処理した。すべて1週間の間に、である。

 私はこれらのタスクを1つずつ、1つのことリストに書き出すことで、1つ残らず達成したのだ。