誰かに抱え上げてもらって、そのまま金曜日まで連れて行ってほしい――。そう思うほど消耗しきっている場合、自分が社内の誰かを助けてあげるという対処法もある。困っている同僚を見つけて、コーヒーを飲みながらコーチングやメンタリングを行う。相手に共感し、相手が自分の置かれた状況をリフレーミングするのを助けると、自分自身の感情を調節するのに役立つことが、最近の調査で示されている。

 レジリエンスが弱まり、感情を司る扁桃体が暴走してしまう「感情のハイジャック(emotional hijack)」を感じたら、ひと息ついてリセットボタンを押そう。

 まず、その感情に名前をつける。そうすると、その感情が和らぐ。次に、深呼吸する。息を吐き出せるだけ吐いてから、力を抜いて自然に肺を空気で満たす。そして、よりポジティブな感情を引き出すために、感覚的な刺激を利用する。

 たとえば、好きな曲を聴きながら次の会議に向かう。バタースコッチキャンディを舐めて、祖父のことを思い出す。私の場合、ファシリテーションの最中に、自分のエネルギーがなくなってきたと感じたら、タイミングを見計らってお気に入りのリップバームを塗る。ベリーの香りで、瞬時に気分がリフレッシュする。

 マイクロレジリエンスを高めるには、自分が大切にしているものをすぐ思い出すことも効果的だ。たとえば、ラップトップにステッカーを貼る、手首に紐やリボンを結ぶ、励みになる格言を携帯のロック画面に表示するなど、自分にとって何かリマインダーになるものをつくるとよい。会議と会議の合間にはそれを見て、物事をもっと大きく捉えるように心がけるのだ。

 変化の著しい世界でストレスにさらされているリーダーにとって、レジリエンスは優先度の高いビジネス上の課題である。適切な睡眠や栄養、運動、遊びに自己投資すれば、物事に対する反応をコントロールする力、全力で仕事に向き合うエネルギー、人に耳を傾けて共感する忍耐力、現状に甘んじず、優れた判断を下す能力と手段、そしてそれらすべてを何週間も何ヵ月も維持するスタミナを手にすることができる。

 これらの自己投資が「言うは易く行うは難し」だと感じたときは、すぐにマイクロレジリエンスのテクニックを使って元気を取り戻そう。自分のレジリエンスに投資するのは、甘えでも何でもなく、ミッションクリティカルなのだ。

 今日からは次のように考えて、自分に言い聞かせよう。「いま仕事が忙しいから、自分をケアしないわけにいかない!」


HBR.org原文:Reframe How You Think About Self-Care, August 03, 2020. UPDATED August 20, 2020.


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