たとえば、睡眠の問題が挙げられる。米国疾病対策予防センター(CDC)によれば、米国の成人の3分の1が十分な睡眠を取っていないという。マネジャーとして多くのストレスを抱えているあなたは、この3分の1に入るのではないだろうか。

 しかるべき理由があって睡眠を犠牲にしているのだと、あなたは言うかもしれない。たとえば、一日中会議に出ていて返信できなかったメールを、夜寝る前に返しておきたい。午前8時からの上司との打ち合わせが入っているから、その資料を読み込むために朝1時間早く起きよう。香港チームとの電話会議は、どうしても午後11時からになってしまう。このように、睡眠時間を削る理由はいくらでもあり、表面的にはどれももっともな理由に思える。

 では、別の側面から考えてみよう。睡眠不足は少なくとも、覚醒度や注意力を下げて、認知能力を低下させてしまう。ベンティサイズのコーヒーさえあれば、元気になるから問題ないと反論する人もいるだろう。だが、一概にそうとも言えない。

 調査によれば、刺激物は、規則的で標準的なタスクに対する睡眠不足の影響をある程度減じる効果はあるが、創造性や発散的思考を必要とするタスクには役立たないことが示されている。単純作業やルーチンワーク以上の働きを期待されている人は、今日仕事を詰め込んだとしても明日のパフォーマンスを低下させてしまうのであれば、本当に意味があるのか再考すべきだろう。

 加えて、自分というマシンをベストコンディションに維持するために必要な投資は、睡眠だけではない。脳の中でマネジャーの行動の多くを司っている部分、つまり前頭前皮質のエネルギー源になる食品を摂取する必要がある。食事をファストフードのテイクアウトで済ませていると、エネルギーと集中力の維持に必要な栄養が不足し、長い1日を乗り切れなくなってしまう。

 ベストコンディションを保つには、水分補給も必要だ。軽い脱水状態でも、思考(記憶と注意力)や気分(緊張と不安)に悪影響を及ぼす可能性があることが、複数の研究によって示されている。さらに運動とリラックス、そして自省の時間を加えれば、チームを首尾よく率いるエネルギーや忍耐力、創造性、持久力が備わる。

 もしいますぐ、自分がベストコンディションにならなければいけない場合、どうすればよいだろうか。睡眠不足で空腹で疲労困憊しているにもかかわらず、20分後に大事な会議を控えているとしたら、どうすればよいのか。

 いざというときに、エネルギーレベルを上げることは可能だ。マイクロレジリエンス、すなわち日々の小さなストレスを溜め込まないための日常的な回復力を高めるには、次に示す方法のいずれかを試すとよいだろう。

 20分後の会議が同僚や直属の部下との1対1の打ち合わせならば、座ってではなく、歩きながら話す。このウォーキング・ミーティングは、自然な流れで会話をするのに最適な方法だ。意見が対立しているときには特によい。アイコンタクトの回数が減るため、難しい会話であっても、多少は気が楽になるからだ。緑のある場所を歩くことができれば、なおよい。効果的な会議を行えるだけでなく、次の会議のためにエネルギーを充電することができる。