リモートワークをトリガーに始まる「生産性改革」

 COVID-19以前のいわゆる日本企業の働き方は、ポテンシャルや人柄を重視したメンバーシップ型雇用や終身雇用、また年功序列による評価や全社で均一化された教育体制などが当然の常識とされてきました。

 ポストコロナの世界では、こうした仕組みが徐々に通用しなくなります。そして、その変化を加速しているのがデジタルです。地理的な制約に縛られないリモートワークを通じたアウトカム重視の働き方へのシフトもその一つであり、ポストコロナを見据えた生産性改革においては、大きく5つの領域が重要なポイントとなります(図表2)。

 リモートワークが広がり始めた初期、企業から寄せられる相談の多くは、リモート環境の整備や社員の勤務状況の可視化といった「インフラ整備の課題」でした。また、人材マネジメントにおいては地理的に分散した環境における社員のパフォーマンス管理やコミュニケーション推進に関心が高まっていました。しかし、コロナ禍の長期化に伴って、分散した環境で働くことを前提とした抜本的な業務プロセスの見直し(自動化、標準化など)や、それによって生み出されるリソースの価値創出業務へのシフトに関心が移っていきました。また、それらに呼応する形で、企業経営者のうち約4割が、デジタル変革の推進が可能な人材の不足を感じており、その育成に強い関心が寄せられるようになってきています。