さらに、すべての会社が実行できるわけではないだろうが、従業員の情熱を引き出すために、マネジャーが作業グループレベルで取り組めることが2つある。

 まず、効果的な質問をつくることだ。日々の課題だけに集中していると業界のエコシステムの大きな変化を見逃すおそれがある。効果的な質問をし、それに答える過程で育まれる目的意識は、作業グループを日々の努力の域を越えて動かし、各自の情熱を触発するのに役立つ。

 効果的な問いかけとは、答えが一つに定まっていないものである。たとえば「これが我々のすべきことか」「ほかに何が可能か」など、創造的思考を促し、いままで取ったことのない斬新なアプローチを考え出せるように導くのである。

 第2に、パフォーマンスの軌跡(performance trajectory)を優先すること。望ましい結果を設定するだけでは、作業グループはそれを達成する方向へ進んでいかない。しかも、途中のわずかな前進に簡単に気を取られてしまう。

 代わりに、インパクトの大きいパフォーマンス目標を設定し、そこに至る道筋でパフォーマンスを追跡しよう。共通の目標に向かう動きを加速する必要があるようなら、トレードオフするのだ。経営幹部以外に長期的な観点からの思考を促せば、従業員の士気を高められるし、重要なことに目を向けて長期的コミットメントをより深めることもできる。

 職場で情熱をはぐくむ機会は、まだまだ活用できる。探究心のある情熱の持ち主は、より短期間で学習する意欲がある。この学びの意欲が、パフォーマンス改善を加速するうえで重要な役割を果たす。

 情熱をはぐくむために具体的な手段を講じることは、従業員と企業の双方にメリットがあるのだ。


HBR.org原文:How to Create a Workplace that Actually Inspires Passion, July 23, 2020.


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