Responsible Businessの実践に向けた「3本の柱」

 では、企業がResponsible Businessを実践するにあたっては、具体的にどんな取り組みが必要なのでしょうか。以下では、アクセンチュアが作成したフレームワークをもとに、そのポイントを見ていくことにします(図3)。

 アクセンチュアでは、Responsible Businessを「長期的な競争力とビジネスレジリエンスを担保するために、多様なステークホルダーの興味・関心を中核ビジネスに反映させる事業」と定義しています。つまり、世の中のさまざまな立場にある人々の目指すものや悩み事の解決といった関心事をビジネスに融合させていくことで、激しく変化する社会や経済環境の中で生き残り、確実に利益を実現していく取り組みがResponsible Businessなのです。そのためには、以下の3本の柱を統合的に連携させながら実行していくことが不可欠です。

・企業活動における社会的責任
・事業を通じ、社会貢献をする責任
・資産の提供により社会貢献をする責任

 この中でも最も重要なのが、2つめの「事業を通じ、社会貢献をする責任」です。これはSDGsで掲げられている17の目標とも通ずるもので、こういった社会課題の解決によって自社も利益を上げていくことでより広範囲な社会課題の解決実現が期待されます。ここに「企業活動における社会的責任」に含まれる環境負荷の抑制、従業員が働きやすい環境の整備や、「資産の提供により社会貢献をする責任」に含まれるビジネス以外の社会貢献を効果的に連携させていくことが、Responsible Business の実現につながります。

 とはいうものの、市場競争がますます激しくなる中で、なぜあえて社会課題へのコミットが不可欠なのか?と思う方も少なくないでしょう。しかし、SDGsが17の目標の達成を目指す2030年までに、それらの社会課題が全て解消されることはありません。だからこそ、過去の株主資本主義のように、株主へのリターンが重要視されたビジネススキームだけではなく、社会課題の解決というテーマを自社のビジネスの中核に組み込める企業こそが、中・長期的に社会から評価されるのです。