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在宅勤務が続く中、多くの親が自宅で仕事をしながらの子育てを迫られ、大変な困難に直面している。ほかの家庭は、この状況をどうやって乗り切っているのか。『ハーバード・ビジネス・レビュー』の読者から寄せられた、18の素晴らしいアイデアを紹介する。


 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務が始まってしばらく経った頃、私たちは『ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)』のリンクトイン・グループを通じて、働きながら子育てをしている読者に呼び掛け、この途轍もなく難しい時期に仕事と子育てを両立するうえで役立つアドバイスを募った。すると、世界中の読者から何百点もの素晴らしいアイデアが寄せられた。

 本稿では、私たちがとりわけ気に入ったアイデアを18点紹介したい。主なテーマは、物事の線引きをはっきりして、集中できる時間を確保すること、親戚の力を借りること、完璧を求めずに「必要十分」でよしとしつつ、遊び、笑い、そしてただ一緒にいることなどだ。

 ●夫婦の生活時間をずらす

 夫と私は、2人とも在宅勤務をしています。私たちが実践しているのは、2人の生活時間をずらすという方法です。私は朝早く、赤ちゃんがまだ寝ている時間に起きて、仕事をします。夫は遅くまで起きてきません。

 夜は逆に、私は赤ちゃんに授乳して、寝かしつけたあと、10時までには寝ます。一方、夫は午前3時くらいまで起きて仕事をしています。昼間に子どものために費やすエネルギーを確保する方法は、こうするしかないのです。

――ターニャ M.、1児の母(米国)

 ●1日の最初に3つの「D」をチェックする

 毎日、仕事でも私生活でやらなくてはならないことが多すぎます。そこで、1日の最初に、それらの課題を3つの「D」に照らしてチェックするようにしています。

 課題のリストの中に、(1)後回し(delay)できるもの、(2)同僚に任せる(delegate)ことが可能なもの(同僚に仕事を押しつけるのではありません。同僚たちにとっては、新しいスキルを学ぶ機会になります)、(3)やらなくてもよい(doesn't need to get done)ものはないかをチェックするのです。

「今日やらなくてはならないもの」だけを考えることで、ストレスがだいぶ和らぎます。

――ロリ K.、2児の母(米国)

 ●アジャイル方式を採用する

 我が家では、家事に関して(ソフトウェア開発版の)「カンバン方式」を導入しています。課題を「未着手」「着手」「完了」に分けて、現在の状況を明確に示しているのです。

 子どもは、用事を命じられるより、自発的に行うほうが好きなもの(これは子どもに限ったことではありませんが)。いつ、どのように課題を実行するかを自分で決められる点に魅力を感じるのでしょう。

 このカンバン方式を採用したところ、子どもたちにあまり口うるさく言わなくて済むようになりました。上司のように振る舞うのではなく、コーチのような存在になれたのです。

 この仕組みは時間をかけて整備されていきました。一つひとつの家事の所要時間(と面倒臭さの度合い)が同程度にそろえられ、「同じ家事を立て続けにやらない」といったルールが確立され、家事を完了しなくてはならない締め切り時間も設定されるようになりました。

――マグナス A.、4児の父(スウェーデン)

 ●教育のチャンスを見出す

 我が家では、自宅に「国際コロナ学校」を開校したという設定で、「生徒」である我が子たちが課題を正しく行った場合に、ご褒美の星印をもらえるようにしました。

 課題とは、猫の世話をする、食事の前にテーブルの準備をする、ゴミ出しをする、洋服をハンガーにかけるといったことです。こうした課題を「とりわけ見事に」行った場合や、親に言われなくても自分からやった場合は、1日の星印の数が2倍に増えます。

 この「学校」には、「課外授業」もあります。たとえば、料理教室や科学の実験などです。実験では、洗った手でトーストに触った場合と、洗わない手でトーストに触った場合で、その後のカビの広がり方がどのように違うかを観察したりしています。

「学校」の時間は、それ以外の時間とはっきり区別がつくように、私が髪にリボンをつけ、子どもたちに私を「ベゴ先生」と呼ばせています。

――ベゴーニャ S.、3人の子どもと2人の義理の子どもの母親(オーストリア)

 ●おじいちゃんとおばあちゃんは最高の先生

 ロックダウン期間中の在宅教育では、おじいちゃんとおばあちゃんの力を借りました(もちろんソーシャル・ディスタンスをしっかり取って、スカイプのビデオ通話システムを用いました)。子どもたちも、おじいちゃんとおばあちゃんも、このアイデアにとても乗り気で、毎週の授業を楽しみにして、よく準備して臨んでいました。

 おじいちゃんとおばあちゃんは学校のカリキュラムに沿って歴史を教えたのですが、学校の授業にはとうてい期待できないくらい深く掘り下げた内容になりました。しかも、それだけでなく、子どもたちに2つの外国語の初歩まで教えてくれたのです!

 私たち夫婦が教えるより、よっぽど質の高い教育ができました。しかも、その間、夫と私は仕事を片づけることができたのです。

――サリー H.、2児の母(英国)