『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。ここでは、最新号への理解をさらに深めていただけるよう、特集テーマに関連する過去の論文をご紹介します。

 DHBR2020年10月号の特集テーマは「パーパス・ブランディング」

 新型コロナウイルス感染症の影響により、景気が悪化し消費も低迷する中、どうすれば消費者から選ばれる会社であり続けられるのか。いま、これまで以上に企業の存在意義が問われている。社会的使命とビジネスをいかに両立させていくか、そのために何をすべきかを考える。

 ユニリーバでグローバルソーシャルミッション担当ディレクターを務めたミリアム・シディベ氏による「マーケターは社会の課題を解決しブランドも成長させる」では、パーパスをビジネスに結び付け、社会的インパクトを高めるのに役立つフレームワークを紹介する。筆者によれば、どんなブランドであっても、社会的使命とビジネスは両立しうるということだ。

 暴力から感染症、ダイエットに至るまで、世界にはさまざまな健康上の課題がある。地球規模の健康改善に企業が果たす役割を研究した筆者は、ユニリーバでライフブイ石鹸というブランドのビジネスモデルに公衆衛生目標を組み込み、10億人に手洗いのメッセージを届け、ブランドの成長にも貢献した。

 スターバックスコーヒージャパン代表取締役最高経営責任者(CEO)の水口貴文氏による「スターバックスはオンリーワンのブランドであり続ける」では、ブランドを磨き、成長を続けるマネジメントの要諦が明かされる。

「なぜその企業は社会に必要とされるのか」。スターバックスには、それに答えるミッションがある。同社はミッションをベースに、顧客と従業員、地域とのつながりを育み、共感を広げることで揺るがぬブランドを確立してきた。

 前ペプシコ会長兼CEOのインドラ K. ヌーイ氏らによる「パーパスの持つ力を伝統企業に浸透させる法」では、ヌーイ氏の行ってきたパーパスドリブン変革を振り返る。

 短期的視点で利益を追求しようとする企業経営のあり方に批判が集まる中、2019年にはビジネス・ラウンドテーブルも「あらゆるステークホルダーへの配慮を誓う」という声明文を発表した。しかし、この問題の解決には、これまで成功を収めてきたビジネスのやり方も変える必要がある。

 ペプシコを12年間にわたって率いたインドラ・ヌーイ氏は、「パーパスにかなった成果」(Performance with Purpose)に基づくアプローチにより、優れた業績を上げつつ、人の健康と環境に配慮し、人材の面でも貢献するという企業を目指してきた。

 ハーバード・ビジネス・スクール名誉教授のステファン A. グレイザー氏らによる「あなたの会社のブランド・コアを見つける方法」では、ナイキやボルボ、ノーベル財団などの調査・研究から、経営における企業ブランドの重要性を述べる。

 多くの製品ブランドがある一方で、企業ブランドに目を向けて、徹底的に磨きをかけている企業は少ないだろう。だが、いまこそ企業の存在意義を定めたコーポレート・アイデンティティを打ち出すことが欠かせない。なぜならそれは、航海における北極星のように、不確実の環境下においても、ゆるがぬ目的と方向性を与えるからだ。

 筆者らは、「コーポレートブランド・アイデンティティ・マトリックス」と呼ばれるツールを提示し、9つの構成要素の検証を通じて、企業ブランドの再構築を促す。ブランド・コアが鮮明になることで、社外の関係性が強化され、組織もまとまり、競争優位につながるのだ。

 オムロン代表取締役社長CEOの山田義仁氏へのインタビュー「強くなければ、『社会の公器』たりえない」では、同社の企業理念に込められた想いが語られる。

 企業は社会の公器──オムロン創業者、立石一真氏が社憲に込めた想いは企業に浸透していた。しかし、「よい会社ではあるが、活力がない」と社長就任時に感じた山田氏は、創業者が社憲に込めたもう一つの意味であるベンチャー精神を取り戻すべく、企業理念の改定を決断した。

 オムロンは、世界に広がった社員、顧客、投資家、社会を巻き込む活動によって企業理念を実践している。そして収益力のある強い会社になることで、事業を通じて持続的に社会的課題を解決することを目指す。