(1)マイクロストレッサーを2つか3つ探し、対処する

 前述の表は、あなたの生活に耐えず影響を与える2つか3つのマイクロストレスを見つけるのに役立つ。

 それらは一般に、生活の中で「当たり前のこと」と考えられてきたものだが、改めることができれば大きな影響を及ぼす可能性がある。マイクロストレッサーが生む精神的な蓄積は、建設的な対応を合理的に考えられるようになる前に、解き放つ必要がある。

 最初の一歩は、楽になることだ。いったん立ち止まってPCを閉じ、自己肯定感を高めつつ没頭できる活動をして、「自分を悩ませるすべてのことの無意味さが消える」ようにする。

 マイクロストレッサーのリストを2つか3つに絞り込むと、発散することがあなたにとって有用な場合、それをやるための時間とエネルギーを見つけやすくなる。

 不安や防衛の「ノイズ」から距離を置くことができると、ストレッサーの見え方が変わることがよくある。

 信頼できる人たちと話をすると、本当に私たちを悩ませているものは何か、そしてなぜかが明らかになったり、ストレッサーを異なる観点から見ることができるようになったりする。さらに行動を起こし、ストレッサーに直接的に対処していることを認識できる。

 たとえば、人間関係を一変させるような、気まずいながらも重要な対話をしたり、不合理な要求や反社会的な行動に反発したり、後ろ向きの付き合いを減らすのに役立つ人々とのネットワークを強化したりすることでも、それは可能だ。

(2)些細なマイクロストレスを大局的に捉えることができる人間関係や活動に投資する

 瞑想や感謝日記など、役に立つ重要なマインドフルネスの実践法はある。そしてもちろん、運動や適切な食生活、質のよい睡眠などを通じて身体の健康を維持することは、今日のストレスと闘うために私たちができる最も重要な手段だろう。

 しかし、重要な対人的解決法もある。人生に大きな広がりを持ち、幅広いつながりを持つ人は、マイクロストレッサーの経験の仕方が異なる。それらを大局的に捉えることができるのだ。

 人生に前向きな人の多くは、社会のさまざまな立場の人との真のつながりをはぐくみ、維持している。スポーツ、ボランティア活動、市民のコミュニテイや宗教的なコミュニティ、読書クラブやディナークラブ、地域の友人などだ。こうした領域での交流が、アイデンティティを拡張し、人生の捉え方を広げる。

 果てしなく押し寄せるマイクロストレッサーを乗り越える鍵となるのは、人生の目的意識と意義を生み出す人間関係である。それは仕事の範疇だけでなく、自分という人間を維持し、定義づけるつながりの中にあるものだ。

(3)ストレスを生む人や活動と距離を置くか、関係を断ち切る

 友人や同僚が元気づけてくれるのではなく、日常的にストレスを生じさせていることに気づくのは、時間が経つにつれて必ずしも容易ではなくなっていく。それによって、いっそうたちが悪いものとなる。

 私たちは、私生活でも仕事の上でも、日常的に感情を消耗させる人とつながりを持ってしまう。一歩下がって、自分でコントロールできる人間関係を評価し、喜びよりもストレスを生む関係からは距離を置くように努めるべきだ。

 誤解のないように言うと、ストレスを生む人間関係は、後ろ向きのものや悪影響を及ぼすものだけではない。一緒に時間を過ごすことは楽しいが、非生産的な行動をさせる人(「プロジェクトは明日終わらせばいいじゃない。今夜は新しいレストランに行ってみよう!」)や、約束を果たさないために仕事を行き詰まらせる人(「報告書が終わらなかった。私のメモを渡すからここから使ってくれれば……」)の場合もある。

 一緒にいて楽しい人との関係を断つ必要はないが、あなたの精神的かつ物理的な健康に与える影響を認識し、彼らとの関係にある程度の境界を設けなくてはならない。

 マイクロストレスを、必然のものとして受け入れる必要はない。ストレスのパターンは多くの場合は予測可能であり、それが何かを見極めれば、回避するために必要な支援のネットワークやマインドセットを構築し、建設的な対応をすることもできる。

 あるリーダーは、筆者らにこう言った。「私がつくろうとしている新たなルールは、最初は混乱を招くかもしれない。しかし長い目で見れば、私が常に疲弊することがないので、自分をよりよい貢献者に変えるだろう」

 自分の生活におけるマイクロストレッサーのパターンを認識できるようになれば、あなたもそれを軽減する適切な状況をつくることができる。


HBR.org原文:Don't Let Micro-Stresses Burn You Out, July 09, 2020.


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