筆者らは、ストレスをもたらす一般的な12の「対人的」要因を特定した(下表を参照)。あなたがそれらの影響に気づかないうちに、健康を大幅に損なう可能性がある。ストレス要因を認識しなければ、ストレスに対処することはできない。

 マイクロストレスに関する筆者らの結論は、過去10年間に一流企業数十社を対象に行った調査に基づいている。調査では、定量分析と綿密なインタビューによって、テクノロジー、バイオ医薬、金融、製造業などさまざまな業界の数百人に、人間関係を原因とするストレスの経験を聞いた。

 調査の目標は、仕事や家庭における一般的な人との付き合い方と直結する、マイクロストレスの要因を特定することだった。

 筆者らは、そうしたストレスを次の3つに分類した。(1)個人的な能力(生活のニーズに対処するために使う時間とエネルギー)を失わせるマイクロストレス。(2)感情の蓄えを消耗させるマイクロストレス。(3)自分のアイデンティティや価値観と対立するマイクロストレス。

 あなたは、このいずれかに覚えがあるだろうか。

 重要なのは、マイクロストレスはどれも日常の一部で、私たちはこれらが自分にどう影響しているかを考えることはほとんどないけれども、マイクロストレスは積み上がっていくことだ。一時的な問題として生じることもあるが、それらに対処することで生じる影響が何時間も、何日も続くことがある。

 筆者らの研究では、能力が高いながらも、なぜか燃え尽きているように見られる人が非常に多く見られた。しかし詳しく調べると、その原因がわかる。時間の経過とともに蓄積されたマイクロストレスだ。

 では、生活の中のマイクロストレスを軽減するにはどうすればよいのか。

 後ろ向きの付き合いや、ストレスの多い付き合いに対処するための従来のアドバイスは通用しない。なぜなら、マイクロストレスは私たちの生活の中に深く(そして目に見えない形で)根づいているからだ。

 人との関係ややり取りを通じて、マイクロストレスはあまりにたくさん、そして速くやってくる。そのため簡単に取り除くことができない。

 あなたの日常で生じるマイクロストレスを1つだけでも考えてみてほしい。それは共同プロジェクトに失敗した同僚のいら立ちや、信頼していた同僚の転職による精神的なダメージかもしれない。

 そして、それを身近な人に説明してみよう。そうした対話は、従来からストレスの処理や対処に役立っている。

 いきさつや依存関係、背景を説明するのに30分かかり、相手がさらに30分かけて共感し、有益な提案をしてくれることもあるだろう。貴重な1時間を経て、あなたの気持ちが楽になるかもしれない。しかし、自分と相手の時間を無駄にしただけということもあるだろう。

 私たちはさまざまな状況の中で、1日に20~30のマイクロストレッサー(ストレスを与える刺激)に見舞われている。そのすべてに関して明確に説明する時間がある人がいるだろうか。そして、その話を聞きたい人がいるだろうか。

 マイクロストレッサーは、これまでとは異なるジレンマを引き起こすため、それを軽減するための新しい方法が必要だ。筆者らの考える有望なアプローチが、次の3つである。