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あなたは慢性的なストレスの要因を特定できているだろうか。困難なプロジェクトや面倒な上司はその理由になりうるが、それだけではない。自分自身でも気づいていない、日常的で些細な出来事が心身の疲労につながっている。筆者らはそれを「マイクロストレス」と呼ぶ。マイクロストレスを放置していると、最終的に燃え尽き症候群に陥りかねない。本稿では、この問題に対処するための3つのアプローチを紹介する。


 疲れ果てて家に帰り、ベッドに倒れ込み、電気を消して浅い眠りに落ちる日は誰にでもある。それが、ほぼ毎日という人もいる。

 ストレスの原因は、困難なプロジェクトやクライアント、上司にあると考えるかもしれない。しかし、あなたは気づいていないかもしれないが、その疲労を引き起こしているものはもっとたくさんある。

 ストレスは1日を通して、とても小さな攻撃として私たちのところにやってくる。筆者らはこれを「マイクロストレス」と呼ぶ。

 マイクロストレスは、おそらくあなたが思いも寄らないものが原因だ。典型的な1日に私たちが経験する、対人的なタッチポイント(日常的に人とコミュニケーションを取り、協力する方法)の量、多様性、速さはかつてないもので、それが積み重なって健康と仕事の生産性に多大な損害を与えている。

 ストレスによって慢性疾患やうつ病などの精神状態に陥りやすくなることは、筆者らが言うまでもないだろう。医師の診察の60~80%はストレスに関係する病気や症状への対応だという推計もある。働く人にとってストレスがあまりに有害なことから、労働安全衛生局(OSHA)は、ストレスは職場の危険要因だと明言している。

 ストレスを抱える人は、質の低い意思決定を下す傾向があるほか、仕事に対するモチベーションや革新性、生産性が低いことも多く、ストレスは生産性を大きく損なう。ストレスが解消されないと、最終的に極度の疲労、孤立、仕事のパフォーマンスの低下を特徴とする燃え尽き症候群に陥りかねない。

 問題は、大半の人がマイクロストレスを当たり前のこととして受け入れるようになっていることだ。

 私たちがマイクロストレスを認識することはめったにないが、それが積もり重なって私たちを消耗させている。さらに悪いことに、マイクロストレスの要因は多くの場合、仕事でもそれ以外でも、最も親しい人たちであることだ。