●祖父母ルール

 我々のインタビューに応じたある女性リーダーは、自分が影響力のある年上の人たち(彼女の場合は自分の祖父母だった)と話しているときには、深い敬意を抱きながら注意深く傾聴していることに気づいたと述べた。

 間を取り、質問し、思いをめぐらす。祖父母が時間を十分にかけて話せるように、途中で口を挟んだりしないし、自分が次に何を言うべきかばかりを考えたりもしない。彼女は、深い尊敬の念をもって聞くこの方法を「祖父母ルール」と呼んでいる。

 パフォーマンスコーチングの会話時には、自分の部下や同僚にも同じような敬意を払うとよい。「祖父母ルール」とは異なる名称をつけても、もちろん構わない。

 特に、自分とは異なる状況や背景の持ち主と対話する際には重要である。そのような場合の最良のアプローチは、思い込みを排除し、相手に話を進めさせることである。あるリーダーが指摘したように、「1に聞くこと。2に聞くこと。自由に答えられるような質問をすること。さらに聞くこと。好奇心を持つこと。好奇心と仲良くなること

 最初のミッシェルの事例に戻ってみよう。ミッシェルの上司は会話をどう進めればよかったのだろうか。

 まず、ミッシェルのフラストレーションの核心が何なのかを見出すために、もっと質問を投げかけることができたはずだ。たとえば、「ミッシェル、この問題を私に知らせてくれてありがとう。私が答える前に、何が起きているのかをもっと知りたいと思います。最近の例を話してくれませんか」といった具合だ。

 このように問いかければ、外的状況をより深く理解できるようになり、その後で「それはあなたにどんな影響を及ぼしていますか」と、ミッシェルの気持ちについて尋ねることができただろう。

 重要なポイントは、部下が何を求めているかを真の意味で理解できなければ、マネジャーは部下を適切にサポートできないということだ。部下が必要とするものが何かを見極める最良の方法は、質問することと、積極的に耳を傾けることである。