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新型コロナウイルスの危機に直面して以来、メールでのやり取りが増大した。緊急時に綿密な情報共有を行うことは大切であり、対面でのコミュニケーションが困難な状況でメールを重宝する気持ちは理解できる。だが、適切に運用しなければ、重要な情報が埋もれたり、適切な人に届かなかったりというリスクもある。筆者らは、救急医が実践する「クライシス・リソース・マネジメント」をメール管理にも取り入れることが有効だと主張する。


 新型コロナウイルスの危機がニューヨーク市で激化したのに伴い、危機下のコミュニケーションに対する真の脅威も同時に増大した。重大なメールが当初、私たちの処理能力を超えて爆発的に増加したのだ。

 重要な情報が失われ、遅れ、あるいは適切な人に届かないリスクや、スレッドが膨れ上がって大切な仕事を妨げるリスクもあった。この脅威に対処するために、私たちは救急医なら誰もが知っている「クライシス・リソース・マネジメント(CRM)」の概念を適用した。

 CRMは、航空業界における安全対策の概念「クルー・リソース・マネジメント」から派生したものだ。蘇生やその他の医療の緊急時に、効果的なコミュニケーションを核としてチームワークを管理する方法である。

 救急医である私たちは、多忙な救急部門(ED)の仕事量のバランスをとり、タスクの優先順位をつけ、集中力を維持し、不確実性を乗り切り、複雑な問題を絶え間なく解決するうえでCRMを適用するよう訓練されている。

 的確な治療計画は、患者の人数や重症度に応じて変わる。平時に患者が救急車で運ばれてくるときと、大量の死傷者を出す出来事があったときではペースも異なる。危機に関連する大量のメールについても、同じような管理法が必要であることに私たちは気がついた。

 もちろん、メールを使うこと自体に反対で、スラック、バンド(BAND)、ワッツアップなどのアプリや、チームサイトなど、より手早くできるコミュニケーション手段を好む人もいるだろう。

 だが現実には、新型コロナウイルスの危機の間、メールやアプリを含め、あらゆるツールに連絡が殺到した。病院ではいまだにメールがデジタルコミュニケーションの大部分を占めており、それを無視することはできない。でも、それを管理することはできる。

 危機的な状況下でメールを効果的に管理するため、私たちがどのようにCRMのコミュニケーションの概念を適用したか、教えよう。