●中止になったカンファレンスを、個人的な人脈を築くチャンスに変える

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まってから、多くのカンファレンスや大規模な会合がキャンセルされている。だが中止になっても、出会いの手段として利用することはできる。

 今年の前半に予定されていたカンファレンスや、これから開かれるはずだったものを見直してみよう。出席する予定だった人や、講演する予定だった人、あるいは前年の参加者は誰だっただろうか(参加者リストが手元になければ、たいてい主催者にメールで依頼できる)。

 つながりたい人を5人から10人ほど選び、あなたに会いたいと思ってくれそうな共通点を探すといい(2人ともロボット工学を研究している、同じ大学の同窓生である、など)。そしてメールやリンクトインで、こんなメッセージを送ってみよう。

「私たちは2人とも、今年のカンファレンスに出席する予定でしたね。お会いできるのを楽しみにしていました。あなたも私もロボット工学を研究しているので、興味深いお話ができると思っていたのです。カンファレンスは中止され、当面、身動きできない状態ですので、バーチャルな手段でお会いしたいと考えています。ズームでコーヒーでも飲みながらお話ししませんか。ご都合をお聞かせください」

 アリサのクライアントであるメディア企業のCEOも、この戦略をとった。参加を予定していた大きな会合が中止になったので、彼はその会合で会いたかった何人かに声をかけて、バーチャルなカクテルパーティを自分で開いたのである。彼は新たに興味深い相手と知り合うことができたうえ、いずれイベントが開かれたら講演してほしいと依頼されたという。

 ●地理的境界線を再考する

 世界がリモートに移行する前、職業人のネットワーキングは、周囲の人に焦点を合わせるのが標準的だった。ニューヨーク市で定期的にディナー交流会を主催してきた私たち自身も、そうだった。ゲストのリストをつくるときに念頭にあるのは地元の人で、市外の人に対しては「いつニューヨークに来るかお知らせください」と言っていた。

 現在、この地理的な境界線は薄らいでいる。バーチャルなカクテルパーティを主催するようになってから、以前ならつながることのできなかった世界中の人を招待できることに気づいたのである。最近開いたズームでのネットワーキングイベントには、ボストンやニューヨーク、ミネアポリス、サンフランシスコ、オースティンから参加者が集まった。

 私たちが企業コーチングを提供しているクライアントの中には、この原理を応用して、さらに視野を広げた人もいる。以前なら同じオフィスの人ばかりが出席していた会議に、別の地域の同僚を招くことはしなかっただろう。しかし現在、非常に多くの人がリモートワークをしているので、拠点がどこであれ、遠慮なく招くようになっている。