Illustration by Eleni Kalorkoti

多くの企業が従業員の育児や介護を支援する制度を導入しているが、そうした制度は「母親」のために用意されているという偏見が根強く、家事や育児や介護を負担するのは女性が中心だ。しかし、コロナ危機で在宅勤務が当たり前になり、男性も仕事と家庭を両立する難しさを経験したことで、彼らの意識が変わりつつある。本稿では、これを好機と捉えて、ジェンダー平等を前進させるための3つの方法を示す。


 コロナ危機によるロックダウンがいったん解除され、いまは職場への復帰を計画し、今後の仕事のあり方を考える時期である。この時期を利用して、リーダーはジェンダー間の平等が実質的にも人数の上でも達成できるよう思いを巡らすべきである。

 ロックダウンは、ジェンダー平等を大きく前進させる、またとない機会となった。これまでの会社の方針や慣行を意識的に再構築することで、仕事のあり方の新しい章が始まるだろう。家族との深い関わりが求められるいま、男性にも女性にも働きやすく設計された仕事のあり方だ。

 コロナ以前、女性は家庭でより多くの無償労働を行い病児の看病のために仕事を休み、育児や介護のために仕事を諦める傾向があった。

 多くの企業が育児休業制度やフレキシブルな勤務制度を導入しているものの、こうした制度は一般に女性のためのものと見なされている。その認識が、(働く母親であることが賃金や能力評価において不利に働くという)母親ペナルティ(motherhood penalty)に拍車をかけ、女性は有償労働への熱意に欠け、育児や介護のために仕事に集中できないという思い込みを強化する。

 こうしたバイアスによって女性のキャリアは制限されてきた。また、女性のための制度という誤った認識ゆえに、企業の支援制度に対して男性が偏見を抱くようになり、制度をフルに活用する男性なかなか増えない

 しかし、今回のコロナ危機で仕事と家庭の日常とが長期にわたって寸断されたことが、従来のジェンダー規範を変えるきっかけになるかもしれない。