コロナ危機は、あらゆる人に苦難をもたらしてきたが、人は皆、人間関係に支えられている。どのような状況に陥ったのであれ、以下の4つの方法でサポートネットワークを構築しよう。

 ●最も強いつながりを補強する

 いまは、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)を取る必要があるため、最も親しい人からサポートを得る(または与える)ことさえ制限される。誕生日や結婚、出産といった人生の節目をビデオチャットで祝福するなど、離れていても絆を深めるクリエイティブな方法を考案しなくてはいけない。

 しかし、今回の危機は、最も強いつながりを強化するユニークなチャンスでもある。ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのアダム・グラント教授(心理学)の「与えること」に関する研究、とりわけ「与える人は長期的な利益を得る可能性が高い」というインサイトは、いま特別な意味を持つ。

 たとえば、筆者らの友人は、夫が癌を患っているが、いまも90歳の隣人たちのために食料雑貨の買い物をしている。こうした無私の寛容な行いに関するストーリーを、私たちは無数に聞いてきた。苦しいときこそ、寛容性が、あなたが持つ強い絆を一段と強化し、生涯にわたる互恵関係を生む。

 ●網を広げる

 コロナ禍で、ネットワークを拡張する能力にも制限がかかっている。学生たちは、雇用凍結の波の中で卒業し、内定を取り消されたりしている。

 幅広い人にリーチしたいが、企業側がほかの火消しで手一杯のときに、積極的なネットワークづくりは難しい。多くの人が集まる会議は開かれないし、公共の場に集まることもできないから、彼らのネットワークづくりは停止状態にある。一方、都市部の貧困層も、日々生きていくためには「使い捨てできるつながり(disposable ties)」、すなわち、ときどきつながる程度の人間関係に頼るしかない。

 平時でさえ、ネットワーキング活動は居心地が悪く感じられるものだ。何かの目的のためにつながりが生まれるのではなく、つながりをつくること自体が目的なのだから。世界的な危機のとき、誰かに頼みごとをするのは、とりわけ自己宣伝のように感じられるだろう。

 しかし、危機というものは、崇高な志から、互恵的なつながりを拡張する機会を与えてくれる。筆者らの一人の親は、80歳で心疾患を持つが、かつては医者だった。彼は、疲労困憊する医療従事者たちを見て、現役として復帰することを希望した。

 ただ、さすがにそれは無理となったため、医療従事者のピア・カウンセリングのボランティアをすることにした。そして、こんなことでもなければ知り合うことのなかったコミュニティの人たちと出会い、みずからのネットワークを広げたのだ。

 ●選別してから拡張する

 誰もがブリアナのように、解雇通知をもらった数分後にリンクトインを開く気になれるわけではない。なにしろ自分の自信を打ち砕かれるのだ。だが、解雇されることで感じる恥や弱さは、社会経済的地位が低い人のほうが大きくなりうる。

 筆者らの別の研究では、脅威にさらされたときに助けを求められるように、このような呆然とした感覚を低減する戦略がみつかった。それは、選別してから拡張することだ。

 心理学者クロード・スティールの研究に基づき、筆者らはまず、被験者に自分を肯定してもらった。これは、自分を支えてくれる親しい友人や家族を思い浮かべるとうまくいく。

 自分を肯定した人は、脅威を与える情報に接したり、自分のネットワークを拡張したりすることに前向きになった。彼らは脅威に飲み込まれずに、「自分には立ち直る心理的・社会的な基盤がある」と思い起こすことができた。そして勇気を持って、外に助けを求めることができた。

 ●古い人間関係を復活させる

 今回の危機は、アポなし訪問などの飛び込み戦術で、まったく新しいネットワークを構築するのではなく、「休眠状態のつながり(dormant ties)」を復活させるユニークな機会を提供している。

 自分のネットワークで、記憶から消えていた人々(音信不通になっていた元上司や、ソーシャルメディアでときどき表示される昔のクラスメイトなど)を探そう。平時なら、急にメールを送るのは奇妙に思われるかもしれないが、いまは頼みごとではない機嫌伺いや、純粋な友情に基づくメールを送ることが自然に感じられる。それは現在のネットワークを、過去のサポート的な強いつながりで補強することを可能にする。

 現在のように物理的な交流が乏しいと、人はメンタルヘルスを損なったり、経済的に追い込まれたりしやすくなる。それは、どんなボートに乗っていようと変わらない。

 新型コロナウイルス感染症にはまだワクチンがないかもしれないが、私たちは人間関係を強化することで、他の脅威に対して免疫をつけることができる。


HBR.org原文:Research: How Socioeconomic Status Impacts the Way We Network, June 10, 2020.


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