バーチャル交渉の準備

(1)チーム内の役割分担を決める

 4人以上が参加する電話会議やビデオ会議は簡単に脱線する。誰が口火を切り、提案書を説明し、質問に答え、次のステップをまとめるか、どのように内輪で相談するのか、を考えておく。

(2)内輪だけで相談する方法を決め、練習しておく

「プライベート」なメッセージが誤って全員の画面に表示されてしまったという、恥ずかしい話をよく聞く。これを回避するには、内輪の相談は別のハードウェアかソフトウェアで行うようにする。たとえば、ズームをPCで行うなら、チームメンバーとのチャットやショートメールには、スマートフォンや別のアプリを使おう。

(3)ただし、内輪の相談は簡潔に済ませる

 交渉中のショートメールは重要かもしれないが、ある調査によれば、交渉中のスマートフォンでのマルチタスキングは、最終的な見返りや相手から見たプロフェッショナルとしての評価、信用度を低下させることがわかった。交渉中にチームメンバーとやり取りする際は、時間をかけないに限る。

(4)ビデオが最適で、大画面であるほどよい

 チャールズ・ネイキンのグループが実施した調査によれば、ビデオを介して交渉した人のほうが、メールやSMSを使って交渉した人よりもよい交渉結果を得た。そして、大型のPC画面を使用した人のほうが、小さい画面を使用した人よりもよい交渉結果を得た。相手のことが見やすいほど、脳を無駄に使わなくないで済むということだ。

(5)短時間で要領よく

 ビデオ会議や電話会議は、メールやSMSよりもメディアとして「リッチ」ではあるが、認知的な負荷も大きい。人間の脳は予測装置であり、やり取りの最中のギャップや歪み、タイムラグなどの曖昧さを理解するために、余計に働かなければならない。ビデオ会議や電話会議でも短時間で要領よく行えば、互いに集中が途切れず、最高の状態を維持できる。