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人間は不確実性を嫌う性質があり、それを解消するために新たな情報を求める。だが、新型コロナウイルス感染症のようにわからないことが多すぎると、関連する情報が増えることでますます不確実性が高まり、それがストレスや不安の原因になる。筆者は、不確実性には3つのタイプが存在すると指摘する。本稿では、自分が置かれている状況を正しく認識し、適切に対処する方法を紹介する。


 大学は秋から対面授業を再開するのか? 新型コロナウイルスのワクチンはもうすぐ開発されるのか? 感染拡大の第二波はやって来るのか? 屋外でソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を実践しているときも、マスクを着けるべきなのか? どの情報源とリーダーを信頼すればよいのか?

 日々、ニュース記事、テレビ番組、ソーシャルメディア、そしてホワイトハウスや米国疾病対策センター(CDC)などから膨大な量の情報が発信されているが、以上のような問いに対する明確な答えは存在しない。

 人間は不確実性を強く嫌う性質を持っていて、代償を払ってでも不確実性を減らしたがる。研究によると、人は50%の確率で電気ショックを与えられると言い渡されている場合に比べて、必ず電気ショックを与えられるとわかっている場合のほうが冷静沈着に振る舞える。同様に、職を失うかもしれない状況に置かれることは、実際に職を失うことより、健康への悪影響が大きい

 不確実性を感じるのは、人間にとって自然な状態ではない。そのため、「物事が正しい状態にないぞ」というシグナルが脳に送られる。すると、脳は不確実性を解消するための情報を探し始める。不確実な状況に置かれた人が情報をより深く、より徹底的に分析し始めるのは、不確実性を解消したいという欲求を抱くためだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、今日の世界で生きる人々を難しい状況に追い込んだ。本能通りに不確実性を解消しようとしても、このウイルスとその影響については、不明なことがあまりにも多い。不確実性を完全に解消しようとしてもうまくいかないのだ。

 では、どうすればよいのか。まず、不確実性にはさまざまな種類があることを理解すべきだ。少なくとも3つのタイプがある。確率論的な不確実性、曖昧さによる不確実性、複雑さによる不確実性である。

 本稿では、このそれぞれのタイプの不確実性に対処するための方法論を、いくつか紹介したい。対策には、認知面での対策(=情報をより適切に分析して把握すること)と、情緒面での対策(=不確実性によるストレスと不安を和らげること)の両方がある。