チームレベルでは、有意義な1対1のやり取りとチームベースの交流を増やし、職場を人間的な空間にする

 リーダーは、人種的アイデンティティから、もっと個人的なニーズまで、多様なアイデンティティ全般をサポートすることにより、非白人従業員をケアすることができる。これを実践すると、あらゆる従業員が今回のパンデミックに対処するのをサポートできるだろう。

 ●どんなサポートが最も希望しているか積極的かつ具体的に聞く

 部下のニーズを理解したいなら、「調子はどう?」といった、ありきたりな掛け声ではなく、従業員のウェルビーイングを具体的に質問しよう(「本当のところ調子はどうなんだい?」とか「ちゃんと睡眠は取れているかい?」など)。

 また、それぞれのニーズに対するサポート方法も、相手に直接聞くといいだろう(「新たに必要なリソースはあるかい?」「君の気持ちを楽にするために、会社ができることはある?」など)。このように質問すると、最もうまく助けられる方法に焦点を絞ることができるし、組織のリソースやプログラムで強化するべき部分が明らかになる。

 ●スタッフに自分をケアする時間を与える

 一般に世界的な災害が起きているとき、心理的なトラウマを抱く人の数は、身体的な傷を負う人の40倍にものぼる。それなのに、職場では仕事が忙しくなったり、予測がつきにくくなったりするため、従業員は休みをもらうなどの便宜を求めることに消極的になるかもしれない。「いなくてもいいスタッフ」だと思われたくないという気持ちも働く。

 リーダーは、スタッフが自分や家族をケアする時間をとり、直接的なトラウマや代理経験によるトラウマに対処してよいという、明示的な許可を与える必要がある。そのためには、仕事の優先順位を頻繁かつ厳しく示して、従業員が最も緊急かつ重要な仕事に集中できる環境をつくること。そうすれば、従業員は残りの時間とエネルギーを、自分と家族をケアするために使えるはずだ。

 ●偏見のある行動や人種差別や排外主義的行動(特にチーム活動の場で)は、その場で正す

 恐怖や不安が高まると、新型コロナウイルス感染症に関連して、反アジア的あるいは排外主義的な「ジョーク」やふざけたコメントをする従業員がいるかもしれない。

 最近、ある企業のオンライン会議で、従業員の一人が中国製の防護マスクを購入するつもりだと発言したところ、同僚2人が、そのマスクには「中国ウイルス」がついているかもしれないぞと軽口を叩いた。これを放置すれば、この種の陰湿なコメントや行動が許され、普通のことと見なされる職場文化になってしまう。

 その場で介入して、こうしたコメントの根底にある偏見や思い込みを指摘しよう(「どうしてそんなことを言うんだ?」とか「そんな冗談は、まったくおかしくない。すぐにやめろ」など)