●チームの雰囲気を調整する方法を学ぶ

 退行段階に効果的なもう一つの手法は、モチベーションの「覚醒レベル」に関するものだ。その狙いは、自分の心理状態はまっとうで、それを正直に打ち明けても安全だと感じられる環境をつくり、膠着状態から抜け出せるようにすることである。

 自分のモチベーションの覚醒レベルは、音量調節機や温度調節機のように、みずからコントロールできると考えよう。そのためにはまず、自分の現在の状態を見つめよう。あなたは感情的に熱くなりすぎているだろうか。それとも冷めすぎていたり、リラックスしすぎていたりするだろうか。

 自分の状態を10点満点で表してみよう(これは、スティーブ・ド・シェイザーの「解決志向セラピー」にもとづく手法だ。自分の状態を点数で表現してもらうことで、クライアントの心理状態を調べるセラピストは多い)。

 その点数が10点なら、あなたは超警戒状態にあり、きわめて興奮した状態にある。逆に0点なら、あなたは憔悴して、完全に受け身の状態になっている。

 危機のときにリーダーシップを発揮するためには、6~8点が最適レベルだ。つまり、ある程度警戒して、行動を起こす準備はできているが、むやみに戦闘モードでも興奮してもいない。安定した状態を維持できる。

 2~3点は、心身ともに二日酔いのような状態である。何をやってもどうせ役に立たないと感じ、いら立ち始めて、小さなことに不満を抱く。あるいは、心身ともに余裕が失われて、仲間の声が届かなくなっている。

 このタイプの点数質問は、あなたのチームでも使えるだろう。ミーティングを「今日の点数はどのくらい?」という質問で始めるとよいことは、複数のチームが証言している。

 仲間同士のやり取りで、「今日の点数は低いんだ」などという一文を含めるのも役に立つ。自分の点数に言及するだけで会話の糸口になるとともに、必要なサポートを得るきっかけになることが多い。