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ソーシャル・ディスタンスを保つために人との接触を極力避けて過ごす中で、従業員は大きなストレスや不安を感じている。この問題に効く万能薬はないが、感謝を頻繁に示すことは有効だ。同僚と直接顔を合わせる時間が激減したいま、その機会を意識的に設ける必要がある。本稿では、それを実践するための5つの戦略を紹介する。


 ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を保つ生活を送る中で、カフェテリアや会議室でのおしゃべりがなくなった代わりに、不安を感じるようになった。全身の倦怠感から特定の疾病に至るまで、従業員の多くがストレスや不安に悩まされ、歯磨きや料理がその日の最高の成果のように感じるほどだ。

 さまざまな組織で経営幹部を務める私のクライアントも、働きすぎで、正当な評価をされず、同僚と離れ離れになっているように感じている。こうした現在の問題に効く万能薬はないが、役に立つのが、頻繁に感謝を示すことだ。

 感謝の気持ちを表すことは、健康と幸福に有益であることが研究で明確に示されている。感謝をすれば、より幸福を感じられる

 危機の最中に他者に感謝する時間を持つことは、孤独感を和らげ、社会的つながりを強め、寛大さを生み出すために不可欠だ。しかし、感謝することの恩恵は広く認識されている一方で、感謝をしてもそれを表現しないことが多く、職場ではほとんど示されないようだ。

 いま、マネジャーは特に、従業員に感謝の気持ちを伝えることが欠かせない。その理由の一つは、チームに感謝をするのは正しいことだからだ。

 人々は、新型コロナウイルスのパンデミックに対する恐怖と闘い、狭い範囲で家庭と仕事をやりくりしている。従業員のほとんどは、彼らの貢献が認識されていて、重要であるということを知る必要がある。さらに、感謝の気持ちが、自尊心、キャリア目標の達成、意思決定、生産性、レジリエンス(再起力)を向上させることが証明されている。

 しかし、多忙でストレスを抱えたリーダーは、感謝することを、やることリストの最後に置きがちだ。教育機関の上級職に就いているマンディープは最近のコーチングのセッションで、「午前4時から午後10時まで目の前の仕事を片づけるのに忙しく、チームの仕事を評価する時間がない」と話した。

 感謝の気持ちを表現することは、かつてなく重要である。そこで、私たちはマンディープと彼の組織のために、5つの戦略を立てた。