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在宅勤務を始めてから、成績が急に落ちてしまった部下もいるだろう。あなたはその理由を正確に把握しているだろうか。ただでさえ慣れない環境の中、子どもの世話や親の介護などとの両立していることが原因だと、思い込んでいないだろうか。問題の原因がわからなければ、適切なサポートもできない。部下に成績悪化の説明責任を求めることは辛い仕事かもしれないが、リーダーとして一人ひとりと向き合うべきである。


「アニルにちゃんと仕事をさせてください!」

 ロビン(仮名)が、セールスマネジャーからそんなメッセージを受け取ったのは、オンライン・リーダーシップ・ミーティング中のことだった。

 ロビンの会社は食品メーカーで、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中も、必要不可欠な事業と見なされている。だが、15億ドルの事業部をリモートで動かすのは大きなプレッシャーだ。しかも、スタッフの神経はすり減り始めていた。

 アニルは、カスタマー・オペレーション・マネジャーで、在宅勤務になる前は抜群の成績を収めていた。だが、いまは違う。本人はきちんと管理できていると言うが、問題が目立ち始めていた。

 10歳以下の子どもが3人いて、妻も働いているとなれば、無理もないのかもしれない。営業担当者のところには、飲食店から苦情が届くようになった。ただでさえ大変な状況なのに、注文と違うものが届いたり、納品が遅れたりするというのだ。彼らが生き残るためには、一つの注文も無駄にできないにもかかわらず。

 ロビンは共感力があり、リーダーとしてのスキルも高かったが、アニルの説明責任を問うべきか悩んでいた。複雑な会話は、彼女が最も苦手とすることだ。ロビンだけではない。ある研究によると、トップ・エグゼクティブの18%が、最も苦手な仕事は人の責任を問うことだと答えた。

 こうした罪悪感は、現在の危機で一段と大きくなっている。他人の苦労に思いやりを持たなくてはというプレッシャーや、オンラインでフィードバックを伝える難しさも、ロビンをはじめとする多くのマネジャーを苦しめている。

 同時に、在宅勤務になってから落ちこぼれ始めた従業員の問題も無視できない。部下の成績不振の管理は、リーダーの仕事の最大17%を占める。現在の経済情勢では、それが業績に与える影響も大きくなる。

 それでは、ロビンのようなリーダーが、特殊な状況であることを踏まえつつ、リモートワークに苦労しているスタッフと、うまく問題を話し合うにはどうすればよいのか。

 これには、多くのリーダーが使い慣れた方法とは異なるスキルと、幅広いアプローチが必要だ。ただし、それを学習する方法はいくつかある。