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新型コロナウイルスによる影響を受け、企業は経営戦略の見直しが迫られている。世界を代表するコンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナー陣に緊急寄稿してもらう本連載第6回では、「消費者行動」をテーマにする。日本を含む世界20カ国以上で複数回行ってきたマッキンゼーの調査からは、十年単位で起こっていたような行動のシフトがこの数カ月で起こったことが見えてくる。日本の消費者マインドとその行動変容を明らかにする。


 日本の消費者は、新型コロナウイルス感染症の影響で未曽有の3ヶ月を過ごしてきた。マッキンゼーは3月以降、日本含む世界20カ国以上で消費者調査を複数回にわたり行ってきた。

 本稿ではその調査結果を起点に、Next Normal(次なる常態・価値観)を読み解くうえでの5つのポイントについて述べたい。

コロナによる制限が1年続くと、消費者は予想

 2020年3月下旬時点では、日本の消費者は新型コロナの影響を楽観的に捉えていた。

「日常的な買い物で外に出かけるのが怖い」と回答した人は全体の約8%、「今後の収入不安から買い控えを始めている」人は9%にとどまった。

 状況が一変したのは、東京五輪の延期が決まり、週末の外出自粛要請が発表された3月24日からの1週間だった。

 この直後の調査では、「自身の世帯収支に与える影響が1年以上続く」と答えた人が35%となった。この数字は、各国と比べても極めて高い割合で、5月の最新の調査でも同じ水準にある。

 また、新型コロナにより、日常活動の調整がいつまで続くと思うかという問いには、「1年以上」が47%になった。つまり、半数近くが1年以上、日常生活に制約が続くと考えている。

 3月以降の調査を通して、日本の特徴として、主に3つの傾向が見えてくる。

 1つ目が「自宅でのエンターテインメント」支出の増加は、他国と比べると限定的だったことだ。

 2つ目が、オンライン購入意向の変化だ。コロナ危機当初からオンライン購入が急速に増加した米国・中国と比べ、日本は4月中旬まで、食料品を除く、オンラインでの購入意向がほとんどの品目で微減傾向だった。

 それが5月中旬になると家電や家具・雑貨、パーソナルケア製品でオンライン購入意向が増加した。

 3つ目が外出パターンである。いつになればコロナ危機以前の外出パターンに戻るのかについて調査したところ、最新結果では「日常的な買い物以外の外出は、引き続き控える」という割合が高く、日本は他国に比べても保守的な結果となった。

 一方、以前の外出パターンに戻るきっかけとして、「周りの人が出かけるようになったら」と回答した人が他国より大幅に高い29%だった。外出人口の増加とともに、消費が一気に加速する可能性がある。

 それではこの消費者変化を踏まえると、Next Normalとはどのようなものになるのだろうか。次の5つのポイントがヒントになりそうだ。