●今日の企業にこんまり流を応用する

 近藤が提唱する片づけルールは、企業のデータを整理するうえでもきわめて強力な枠組みになりうるものだ。しかし、企業のIT部門のリーダーやデータマネジメント・チームは、家庭と企業の違いも頭に入れる必要がある。両者の規模と複雑さの違いは、非常に大きいからだ。

 企業では、いたってシンプルな課題が手ごわい難題になることがある。企業は、複雑なガバナンス上の義務を、いくつも同時に果たさなくてはならない。そこで、データに関する行動はすべて、会社全体で調整し、一本化する必要がある。

 人間の努力を補強するために、テクノロジーの力も不可欠だ。企業が取り扱うデータは途方もない量に上るため、人間が一つひとつのデータを分類して管理することは、そもそも不可能だ。データ解析ツール、人工知能、機械学習などのテクノロジーを駆使して、データの分類とライフサイクル管理を自動化する必要がある。

 いつかこうしたテクノロジーが、セーターや卒業アルバムの片づけにも力を発揮する時代が来れば、近藤の商売も危うくなりかねない。


HBR.org原文:Tidy Up Your Company's Data Marie Kondo-Style, May 13, 2020.


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