●片づけにコミットする

 片づけを成功させるためには、しっかりやり遂げると前もって誓うことが重要だ。そうでないと、途中で挫折したり、掛け声倒れに終わったりすることが多い。同じように、企業がデータの片づけに取り組む場合も、予算やその他の資源を適切に割り振るなど、上層部のコミットメントが欠かせない。

 法務、コンプライアンス、記録管理、プライバシー、セキュリティなど、社内のさまざまな部署の関係者を集めて「情報ガバナンス委員会」を設ければ、その取り組みを長期にわたって成功させるうえで効果的かもしれない。

 これまでは、こうした各部署の意見を一致させることは容易でなかっただろう。しかし、GDPR(EU一般データ保護規制)CCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)などの新しい個人情報保護規制が導入されたことにより、企業経営者にとってこの問題の重要性が高まっている。

 プライバシー漏洩が発生した場合に米国で集団訴訟を起こされるリスクを考えれば、その重要性はとりわけ見過ごせない。

 ●理想の暮らしを思い描く

 近藤は、片づけの目標を明確にすべきだと言う。それを怠ると、たちまち片づけに意味を見出せなくなる。

 この点は、企業におけるデータの片づけも同じだ。目標を設定し、手順を定めてそれに従って行動し、定期的に進捗状況を確認し、道をそれないように歩むべきである。

 加えて、取り組みを長続きさせるためには、長期の計画も立てたほうがよい。そうでないと、すぐに元通りのごちゃごちゃした状態に戻ってしまう。たとえば、データを自動的に消去する方針を導入してもよいだろう。

 ●まず、「捨てること」をやり遂げる

 近藤が強調するのは、不要なものを取り除くことの重要性だ。

 この発想に従い、データを適切に消去することを好ましいことと考えるべきだ。たとえば、クラウドに保存する前にデータを消去することの意義は大きい。がらくたのようなデータを保存するために時間とお金を使う必要はないからだ。

 調査会社ガートナーの調べによると、企業のデータの最大で85%は「ROT」(無駄で古くて重要でない)ものだと推定されている。その多くは、最初の段階で保存するに値しないものだと判断がつくはずだ。

 ただし、企業がデータを削除する場合は、それが正当な行為でなくてはならない。データの保持と削除に関して方針を定めておくべきだ。

 その方針は、プライバシー条項、規制、記録の指針に沿ったものである必要がある。また、個々のデータが継続中の訴訟に関係していないか、将来必要になる場合に備えて保存すべきものでないかも考えなくてはならない。