「ノー」と言える環境をつくる

 現在のような急激な変化の最中では、すべての場面でチームワークが最適化されているかどうかを、リーダーが直接、確認することは難しい。

 だからこそ、チームのメンバーもリーダーと同じように、チームワークのアプローチを理解しておく必要がある。メンバーのあいだで求められる行動の変化を起こすためには、人々の注意を引きつけ、再考を促すような、明確かつシンプルで、時には衝撃的なコミュニケーションが必要になるかもしれない。

 リーダーは、どこから始めればいいのだろうか。

・まず、チームワークのせいで不必要な複雑さや混乱、非効率が生じていると感じたときは、メンバーがチームワークに「ノー」と言える自由を明確に認める。

・目の前のタスクを効果的に遂行するためには、どのような種類のチームワークが、どの程度必要なのか。それは仕事の段階に応じて、どのように変化するのか。リーダーは常に、自分とチームがそれらの点を慎重に考慮するように心がける。チームの一人ひとりが、明確で価値のある、必要な役割を果たすことを忘れてはならない。怠ける人や貢献しない人を抱える余裕があるなら、チームに人が多すぎるという意味であり、人数を減らすべきだ。

・チームワークに「ノー」と言えることが、チームのアジャイルで効果的なパフォーマンスを実現させる例を、具体的に議論する。それを通じて、チームワークの規模の最適化の重要性を促進し、強化する。チームのメンバーはチームワークとそれを実践する方法について、洞察的な理解を深めやすくなるだろう。

 すでに重大な問題に直面しているいま、さらなる変化を要求するには時期が悪く、賢明ではないと思うかもしれない。しかし、企業が立ち直るために必要なアジリティとレジリエンスを獲得できるかどうかは、チームワークがもたらしがちな機能不全や非効率を回避できるかどうかにかかっている。

 チームワークの規模を最適化する方法を学び、チームに教えることが、チームや組織の成功と、次に起きることに備えるうえで不可欠だ。


HBR.org原文:Don't Let Teamwork Get in the Way of Agility, May 12, 2020.


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