必要なチームワークの種類を定義する

 仕事のさまざまな段階で、さまざまな種類のチームワークが必要になる。たとえば、新しい取り組みにおいて、初期のプロダクションの段階でタスクを完成させるために必要な行動や要件は、最終段階で必要なものとは異なる。

 1つのプロジェクト全体に当てはまる、「よいチームワーク」の汎用的な定義は存在しない。多いことが必ずしもいいわけではなく、少ないほど好ましい、あるいはチームワークがむしろ必要ない場合もある。そこで、チームワークを大きく4つのカテゴリーに分けて考えてみよう。

(1)チームワークが、「引き継ぎ」に留まる場合もある

 このとき各人の仕事はほぼ独立しているが、タスクを完了させるためには適切なタイミングで、ある人から別の人に情報やリソースを渡す。この種類のチームワークは、関係者全員が、いつ何が必要なのかを理解できるように、明確なコミュニケーションと連携が不可欠だ。わかりやすい例としては、企業内の複数の部署が、毎月の財務情報を社内の財務部門に提出し、財務部門はそれを月次の財務報告書にまとめて、経営陣や取締役に提出する。

(2)仕事の「同期化」が必要なプロジェクトもある

 これは2つ以上のチーム(あるいは個人)が同じルーチンを実行する場合で、成果を挙げるためには連携を維持しなければならない。たとえば、地域ごとの営業チームがこれにあたる。それぞれのメンバーが同じプロセスを使用して、それぞれ顧客のニーズを引き出し、関係を築き、管理する。一人ひとりが自立して仕事をするが、全員の仕事の総和が地域のチームとしての成功を決める。

(3)仕事の「連携」が必要なプロジェクトもある

 それぞれが自分の役割を果たすことが、互いに影響を与える。たとえば、新型コロナウイルス感染症の危機に対処している勇敢な救命医療チームは、医師、薬剤師、食事療法士、呼吸療法士、看護師などさまざまな専門家で構成されている。彼らは一人ひとりが明確に定義された自分のタスクを実行し、チームとして成果を挙げている。

(4)最後に、「相互依存的な仕事」が必要なプロジェクトもある

 これはチームワークの最も複雑な形態だ。たとえば、新しい製品やイノベーションを市場に投入する場合、新しい問題を解決するために異なるスキルを持つ人々が集まる。チームの構造は柔軟で、問題が解決するにつれて具体的なかたちになることも多い。したがって、予測できない状況に対応してコミュニケーションを取るためには、臨機応変に役割と責任を調整しなければならない。

 スクリップス・リサーチのあるチームは、健康状態の探知デバイスの開発に特化したプログラムを、新型コロナウイルス感染症の症状を検査するように再設計できるかどうか、評価するという仕事を担当した。同社のほかのチームは、明確に定義された戦略と細かい役割分担にもとづいて動けるが、この新しいプロジェクトでは、必要に応じて一人がいくつもの役割を演じて協力しなければならなかった。

 1つのチームの仕事が、1つのカテゴリーに収まるときもある。しかし多くの場合、知識労働やイノベーション、業務の再配置に関わるチームは特に、そう簡単ではない。「よいチームワーク」が何を意味するかは、プロジェクトごとに異なり、プロジェクトの中でもその進化に合わせて変化する。

 組織のリーダーはこれら4つのカテゴリーをもとに、どのような段階で、どのようなチームワークが必要かという、共通の理解を深めることができる。具体的に誰と誰が、どのような構成で、どのような理由で連携するかなどを、チームで共有する場合もあるだろう。

 業務を与える側もこれに呼応して、チームワークを「一緒に仕事をする」以上のものとして考えなければならない。ある状況で「よいチームワーク」が何を意味するのか、文脈に沿って説明することが求められる。