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不確実性がますます高まる中、自分一人で問題を解決するのは限界があり、チームワークがこれまで以上に不可欠だ。ただし、素晴らしい人材を何人集めたとしても、チーム内でポジション争いが発生したり、メンバー同士の情報共有が滞ったりすれば、イノベーションを促進するどころか停滞させかねない。筆者は、チームの規模を最適化することがカギを握るという。本稿では、それを実践するための3つのアプローチを紹介する。


 組織がきわめて不安定な経済状況に直面し、ビジネス上の大きな脅威にさらされているいま、効果的なチームワークがかつてないほど重要になっている。

 一般的な考え方としては、チームワークを可能な限り活用して、これらの課題に正面から立ち向かう。理論上は、チームで働くことによって、特にさまざまなスキルセットや背景を持つ人々が集まることによって、イノベーションが刺激され、アジリティ(敏捷性)を発揮でき、よりよい成果につながる。

 しかし、私たちの最近の研究が示唆するように、チームワークを最大化しても期待通りの結果は得られないことが多い。それどころか、チームワークが成果を損ないかねないのだ。

 現実には、生産的なチームワークと連携は難しい課題だ。差し迫った必要に対応する場合は特に、さまざまな専門性を持つ人を集めても、イノベーションを促進するどころか停滞させかねない。さらに、言うまでもなく、チーム内でポジション争いをする、権力を握ろうとする、縄張りを守るために情報を隠すなど、より大きな、構造的な緊張を招きやすい。

 ただし、チームワークを完全に投げ捨てるべきだと言うのではない。むしろ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機を乗り越えて、成功するうえで不可欠なアジリティ(敏捷性)とレジリエンス(回復力)を手に入れるには、チームワークの最適な実践方法を考える必要がある。

 アジャイルな組織の特徴に関する私たちの研究から、チームワークを最大化するのではなく、その規模を最適化することが肝心だと考えられる。つまり、あるプロジェクトを効率的かつ効果的に遂行するために、各段階でどのようなチームワークが、どの程度必要になるかを考慮するのだ。

 チームワークの規模の最適化には、チームに貢献する適切な人材を、適切なタイミングで慎重に選択する必要がある。

 このようなアプローチは、インクルーシビティ(包摂性)や配慮、敬意といった目標と相反するように見えるかもしれない。しかし、適切に実行すれば、これらの目標を改善できる。無条件にではなく、必要なときに人々を参加させることは、プロジェクトのオーバーロード(過負担)やバーンアウト(燃え尽き症候群)に苦しむ多くの人にとって、本当の意味で配慮と敬意を払うことになる。

 ただし、規模の最適化とは、インクルージョンを最小化することではない。「チームワーク」を単なる流行語から、調和した全組織的なつながりを生み出す最適化された実践へと進化させるということだ。

 チームワークの規模の最適化を習得している組織は、現在の新しいビジネス環境で成功する可能性が高くなるはずだ。最もアジャイルな企業は、エビデンスにもとづく3つのアプローチを通じて最適化を実践している。