(1)人種差別を許さないポリシーの採用と研修を実施する

 人種差別に対して、ゼロ・トレランス方式(小さな違反も許さない姿勢)を採用しよう。投資会社のフランクリン・テンプルトンが、よい例だ。社員のエイミー・クーパーが、ニューヨークのセントラルパークでバードウォッチングをしていた黒人男性クリスチャン・クーパーに差別的な言動をとったことが明らかになると、同社は速やかに彼女を解雇した。

 企業はまた、ゼロ・トレランス方式をとるだけでなく、CEOや取締役から時間給従業員まで、全従業員を対象とする人種平等研修を実施すべきだ。白人は特権的な扱いにあまりにも慣れて、人種差別が米国の社会と経済と生活に深く織り込まれていることに気づかなかった。私たち一人ひとりが変わるためには、まず学ぶことから始めなければならない。そのためのリソースは、たっぷりある。

(2)平等な賃金を支払う

 人種による賃金格差を正当化する理由は、もはや存在しない。「黒人」と「女性」という2つの差別にさらされてきた黒人女性にとっては、なおさらだ。

 公平で平等な賃金を実現するために、定期的な監査を実施し、必要な調整を図ろう。ペイパルでは、平等な賃金を支払うために、年間を通じて定期的な調整を行っている。複数の研究によると、人種による賃金格差を縮小すると、米国のGDPは14%(2兆ドル以上)増えることがわかっている。

(3)従業員に発言の機会を与える

 雇用方針に関する決定を下すときは必ず、時間給従業員や女性、非白人の代表を含めよう。取締役会に従業員の代表を加えるのもいいだろう。

 ドイツでは、これは法的に義務づけられている。ドイツが米国よりも早くリーマン・ショック後の大不況から立ち直り、今回の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)による景気低迷も失業率4%でしのいでいる理由の一つだ。

(4)民主主義への参加をサポートする

 選挙の投票日は有給休業日にしよう。職場で有権者登録をできるようにして、従業員が選挙に行く後押しをしよう。

(5)ロビー活動を差別解消に利用する

 米国の法律は、企業のロビー活動によって形づくられていることは公然の事実だ。そこでロビー活動費の50%以上を、非白人コミュニティの環境を改善する法案の作成と支持に充てよう。

 具体的には、非白人が質の高い教育と職業訓練を受けやすくし、インフラを整備し、消費者を保護し、人種的抑圧に終止符を打ち、セーフティネットを立て直し、刑事司法改革を実現し、警察の責任をきちんと問おう。

 これらの領域に不備があると、最も大きなダメージを受けるのは非白人であり、その問題点と解決策を最もうまく定義できるのは非白人だ。あなたの会社のビジネスモデルが、米国に住み、働き、税金を払っている移民に依存しているなら、あなたには彼らの権利のために立ち上がり、市民権獲得を支援する義務がある。