専有データにはたいてい、独自の「ネットワーク効果」があるという点に留意されたい。より多くのデータを獲得・統合して効果的に精選することで、「データプロダクト」および顧客へのサービスに組み込むための、より価値ある資産が生まれる。そのプロダクトと顧客関係がさらなるデータをもたらし、専有データの蓄積が増えていくわけだ。

 グーグル検索がその例であり、より多くの人が検索し結果をクリックするほど、顧客の検索意図を推測する精度が向上していく。これまでのところ、この好循環を享受しているのは主にマルチサイド・プラットフォーム型の事業だが、どんな業態の企業にも当てはまりうる。

 そうしたプラットフォーム企業の多くを見ればわかるが、データが増えるほど、必要な作業も当然ながら増える。

 フェイスブック、エアビーアンドビー、ウーバーは、たしかに多くの専有データを獲得している。だが、彼らのデータ集約型のビジネスモデルはいまや、ニュースがフェイクではないこと居住施設に関する説明が正確であることドライバーが安心できる人物であることを保証しなければならない。専有データ戦略では、データの新たな種類や量がもたらすチャンスと潜在的負荷、両方を検討する必要がある。

 最後に重要な点として、自社で専有データを誰が管理すべきなのかを自問しよう。ほとんどの企業では専有データの責任者がいないため、チームを組成して戦略を立てる必要がある。

 最高データ責任者(CDO)は自社の内部データのみに責任を負っている場合が多いが、もしそのCDOが損益責任も担っており、かつ事業部の幹部らと強い関係を築いているならば、専有データ戦略の策定プロセスを主導する適任者かもしれない。他の参加者としては、IT、法務、製品開発、マーケティング部門から代表者を入れてもよいだろう。

 顧客に販売する新製品・サービスにもその戦略が絡んでくる場合は、営業部門からも参加すべきだ。データプロダクトの多くは、営業担当者がそれを売るのを快く思わないという理由で、失敗している。彼らは往々にして、もっと目に見える製品・サービスを売るための販促材料として、データプロダクトを無料のおまけ扱いしたがるのだ。

 企業の大半がデータへの依存を急速に高めゆく中、専有データは不可欠なものとなっている。戦略として取り組めば、専有データの必要性が理解できるだけでなく、それが自社の経営戦略とビジネスモデルにどうフィットするのかという重要な問題への答えを見出すことができるのだ。

 近い将来、さらに多くの専有データ戦略と、そのリソースの活用に成功する事例が見られるものと、筆者らは期待している。


HBR.org原文:Your Organization Needs a Proprietary Data Strategy, May 04, 2020.


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