2つ目のアクションは、コラボレーションとイニシアチブを要する。事業の調査、調整、修正のために従業員とパートナーを結集するのだ。チームが重視すべきことは、継続できることは何か。新しい問題や機会を考慮するために何を、どうやって素早く修正すべきか、という基本に焦点を当てる。

 ここでカギとなるのが、柔軟性である。サプライチェーンの欠陥を補ったり、最も必要とされる場所に労働力を再配置したりするために、迅速な改善を担うチームを編成する組織もあるかもしれない。

 見事な回復を果たした過去のケースでは、リーダーは、発生した混乱に対する第一段階の反応を見届けるまで、構造的・組織的な変化に着手しなかった。

 危機の初期段階では、その範囲がわからない。しかし、情報が明らかになるにつれて、立て直しを図る幹部チームは企業の強みと弱みに注視し、どこで経費を削減し、どこに資本を再配分し、従業員が果たすべき最善の役割は何かを判断するだろう。

 リーダーはこのとき、改善点を見つけ、それを実行するために実際に製品をつくり、サービスを提供している現場の人たちに頼る。

 新型コロナウイルス感染症の発生初期、ボート用のプラスチック製部品を製造するある中小企業は、需要の減少に直面し、従業員のアイデアからフェイスシールドの製造に転換した。そのためには事業の修正と十分な供給を確実に行う必要があったが、大規模な政府の契約を勝ち取り、新たに数十人を採用した。

 危機対応と事業再生の多くの成功例の背後には、事業を維持・強化するために迅速に自己組織化する方法を知る、共通の目的意識を持ったチームの存在がある。

 原因不明の停電により、米北東部と中西部の大部分で電力供給が停止したとき、ある大手航空会社は、本社からの指示を待たずに回復に乗り出した。そして、従業員の参加という伝統の上に成り立っていたことで、この会社は財務状況を好転させることができた。

 安全かつ定時に運行するという共通の目的を持ち、エンパワーされた従業員らは、形式的な手続きを省き、空港が停電していても飛行機を運行し続けるためのクリエイティブな解決策を見つけ、他の航空会社の乗客が立ち往生していたハブ空港にサービスを移した。そして、危機の収束後も顧客は増加し続けた。

 パートナーと協働して対応する企業もある。

 農業従事者らは従来、農協に加入することで農産物を流通させ、近隣の飲食店や小売店は共同で取引する団体を組織してきた。だが、ある巨大ハイテク企業は世界的な不況を受け、小規模サプライヤーと関係を構築し、契約プロセスを円滑化するため、他の大手と提携してデジタルプラットフォームを立ち上げた。これにより、適格な地方のサプライヤーを確保することができ、中小企業の回復にも役立った。

 現在の新型ウイルスのパンデミックにおいては、ホテル、レストランチェーン、学校などに農産物を卸していた企業が、消費者への直接販売へと素早く転換した。慣行を変えるために農業従事者を組織化し、消費者に確実に届けるためパートナーを確保し、オンライン化も進めた。こうした提携によって、既存の事業の隙間を埋めることができる。