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新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、世界はいま大きく変わりつつある。多くの企業がその対応に苦慮しているが、エボラ出血熱のパンデミック、世界的な金融危機、あるいは財政破綻など、組織の存続を脅かすような危機はこれが初めてではない。危機から立ち直って成長を実現した企業と、失敗を繰り返してしまう企業は何が違うのか。そこでは、危機を乗り越える途中の段階において、いかなるリーダーシップが発揮されたかが大きなカギを握る。


 パンデミックは、それが初めてではなかった。エボラ出血熱は過去に別の地域で猛威を振るった。しかし、西アフリカのあるグリーンエネルギー企業のリーダーたちは、少なくとも自分たちの地域で再び流行するとは考えていなかった。

 エボラ出血熱が新たに発生したとき、その企業は小売店や農業従事者の組合とのパートナーシップを通じて、低価格の太陽電池の販売拡大に注力していた。その後、本社がある都市をパンデミックが襲い、すべての商業活動が停止した。

 このベンチャー企業の米国人創業者と現地のゼネラルマネジャーは、従業員を1ヵ月間自宅で隔離させることを決定。従業員が家族のために必要なものを購入し、健康を維持できるように、1ヵ月分の給料を前払いした。

 遠く離れ、失われつつある労働力に依存していた創業者らは、海の向こうで行き詰まった。従業員を支援するため、潤沢とは言えない資金を費やさざるを得なかった。会社の財務状況は、従業員による横領事件ですでに不安定だった。

 いまなお脆弱だが有望なこのベンチャーのために、新しい投資家を見つけることができるだろうかと、創業者らは考えた。幹部らは、打撃を受けた教育や食糧供給など現地のニーズを観察し、さらなるニーズに対応できる、以前とは異なるより優れた企業を再建する方法を模索した。

 この会社は「カンターの法則」の真理を知っていた。途中では、何もかもが失敗に思えるというものだ。

 人的および組織的な取り組みの途中では、予期せぬ障害や困難な状況が発生する可能性がある。そこで諦めてしまえば、当然ながら失敗に終わる。粘って、方向転換し、貫き通せば、新たな成功の道を見つける希望が生まれる。

 新型コロナウイルス感染症(Covid-19)のパンデミックによって、世界はいま、深刻で、混乱していて、悲惨な状況の途中にあり、命と暮らしが悲劇的に失われている。加えて、その終わりはまだ見えていない。

 この危機の重大さは先例がないが、エボラ出血熱のパンデミック、ハリケーン・カトリーナ、メキシコ湾原油流出事故、世界的な金融危機、財政破綻寸前からの業績回復など、過去の惨事と劇的な好転から学ぶべき教訓がある。