(1)事前に、あなたにとっての価値を定義する

 会議が始まる前に少し時間をとって、会議の目的と、あなたにとっての価値を見定めよう。あなたが持っている最も重要な情報は何か。あなたが貢献したいことは何か。そうした点について準備をする。

 特に重要な役割がなく情報を提供する必要もなければ、その会議から何を学びたいか明確にしよう。あらかじめそれを考えておくと、より注意深く発言を聞き、今後の会議に向けて、聞くための筋力を鍛えることができるだろう。

(2)前の発言を受け止める

 直前の発言を聞くことも受け止めることもせずに、話に割り込んで自分の主張を展開する人がいる。すると前の発言者は、聞いてもらえなかったか理解されなかったのだと思い、再度、繰り返したり言い直したりする。

 こうなると会議の流れは停滞し、噛み合わず、じれったい議論になっていく。ウェブ会議では同時に話し始めることがよくあるので、この力学が増幅する。

 ここで役に立つのが、アクティブリスニング(積極的な聞き方)だ。新たな話題を持ち出す前に、直前の発言を反復してみよう。あなたが発展させたいと思っている話題についても同様だ。

 要点を正しくとらえているか、前の発言者に尋ねてもよい。そうすることで議論がうまく進むだけでなく、あなたの話も聞いてもらいやすくなる。人は、まず聞いてもらえたと感じたときに、相手の話を聞く気持ちになるからだ。

(3)点をつなぐ

 ウェブ会議の進行をするのは容易ではない。参加者はしばしば、とりとめのない発言をするので、リーダーは議論をスムーズに進めるのに難儀する。

 ここでも聞く能力が助けになる。発言を丁寧に聞き取り、それをどのように振り返れば議論が前進するかを考えよう。

 たとえば、会議の中でクライアントのいら立ちについて触れた参加者が何人かいたなら、あなたはこう発言できる。「クライアントはいら立っているようだという指摘が、いくつかありました。なぜいま、クライアントがいら立ちを覚えているのか、原因として思い当たることはありますか」

 このとき、あなた自身が何も新しい情報を提供していないことに注目してほしい。まず耳を傾け、点と点をつなぐ。すると参加者はより大きな力学を理解し、議論は生産的な方向に導かれるだろう。聞いたことを振り返る発言そのものが、効果的な聞き方となるのだ。