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新型コロナウイルスによる影響を受け、企業は経営戦略の見直しが迫られている。世界を代表するコンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナー陣に緊急寄稿してもらう本連載第2回では、「営業」(主に法人向け)をテーマにする。日本組織が得意とした、従来型の対面営業がこれまでのようにはできなくなった。営業現場の課題と、組織はどう進化すべきなのか。4つのポイントから明らかにする。


 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、日本でも営業活動を大きく変えなければならない必要に迫られている。テレワークの普及や対面営業の自粛等により、現場からは戸惑いの声が数多く聞かれる。

 本稿では、営業現場が直面する課題と迫られている変化を概観したうえで、競争力を維持・強化するうえで日本企業が注力すべき取り組みと具体的な商機を考察する。

営業現場が直面する課題 

 マッキンゼーの実施した調査によると、新型コロナ危機以前の日本において、従来型の対面営業が重要と答えた企業が57%、デジタル・リモート営業が重要と答えた企業が43%だった。それが20年4月時点では、デジタル・リモート営業のほうが重要と答える企業が従来型の1.4倍に達した。

 今に始まったものではないが、新型コロナ危機により加速度的に普及していることがわかる。デジタル・リモート営業へのシフトにより、企業は具体的にどのような変化に迫られるのだろうか。

 現場の営業員にとっては、対面で実施していた営業が、電話やビデオ会議となった。その結果、対面により培ってきた、個々の関係構築力による差別化がしにくくなり、従来の販促資料を基にした提案では価値を十分に訴求できなくなった。

 今後、顧客企業の多くがキャッシュを温存する中、製品・サービスが顧客企業に与える提供価値を明確に伝え、購入に結びつける提案力が重要となる。

 営業管理の在り方も変化を迫られている。コロナ危機により、とりわけ昨年実績からの伸長を基本とした販売目標を設定し、営業会議を中心としたガバナンスを実施してきた組織での混乱は大きい。

 こうした変化の中、企業はどのような対策を講じていくべきなのだろうか。

成果測定を軸にした営業モデルの構築

 まず必要なのは、リモート営業確立に向けたITインフラの整備だ。

 ビデオ会議システム導入による顧客面談・営業員面談の開始に加え、CRM(顧客関係管理)システムや業績管理ツールの導入とリモートでのアクセスが不可欠である。この危機が去ったとしても、リモート営業と対面営業を連携させ、顧客とのタッチポイントを複数で持つほうが効果は高いと考えられる。

 最近では、セルフサービスで見積もり・発注を行うオンライン販売の人気も高まっている。例えばB2Bにおいて、オプション比較から詳細な見積もりまでのプロセスを、営業を介さず行う受発注システムを構築する取り組みも活発だ。いわば、B2BのAmazonプラットホームのようなものだ。