(3)レジリエンスを再定義する

 もしローガン国際空港で経験したことから「次に進む」べきだと誰かから言われるたびに5セント硬貨をもらえたとしたら、私はカリブ海のラウンジチェアでこの記事を書いているだろう。

「すべての経験が人を強くする」と言われるが、実際にはキャリアであれ人生であれ、ほとんどの人の挫折や敗北の経験はそれには当てはまらない。

「次に進む」ことと「前に進む」ことは大きく異なる。

 前者は、苦痛やフラストレーションをはねのけ、挫折から教訓を得ることだ。それは不可能であり、望ましくない。後者は、将来の希望と共に痛みを伴う喪失も含め、あなたの経験全てを抱えて生きることだ。

 私は著書で、レジリエンス(再起力)をシーガラスになぞらえて定義した。壊れたものからつくられるが、価値のあるものだ。

(4)経験を伝える

 あなたはキャリアの挫折をみずから求めたわけではないが、そこから学んだはずだ。経験から得た知恵と視点は、人と共有できる授かりものである。だから、私は経験を語る。

 キャリアの中で、衝撃的で強烈で予期せぬものが持つ力を、ウォレン・ベニスは「試練」と呼んだが、それがリーダーとしてのあなたを変化させる。同僚が混乱に直面したときに、思いやりを持って耳を傾け、絶えず手を差し伸べ、冷静に提言することは、あなたが学び、獲得したリーダーシップなのだ。


HBR.org原文:How to Recover When Your Career Gets Derailed, April 24, 2020.


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