平安のような大規模なビジネス・エコシステムを築くには、長期にわたる継続的な投資を要する。とはいえ、企業は短期的に危機への耐性をつけるために、いくつかできることがある。

(1)協業企業と再びつながる:意識をすべて内側に向けるよりも、いまは自社の協業ネットワークに手を伸ばすべきだ。自社は取引に前向きであること、特に新規事業を望んでいることを、協業他社に伝えよう。

(2)システム全体での学びを最大化する:自社の業務で使うデジタルツールを、協業他社に開放しよう。デジタルツールは、双方のコミュニケーションコストを下げる一助となる。やり取りはメールによるマニュアル作業ではなく、APIを介して行うようにすべきだ。

(3)協業他社のために技術の棚卸をする:協業他社にとって役立つかもしれない技術とリソースが自社にないか、精査してみよう。新たな事業機会を見落としているかもしれない。

(4)市場での自社のケイパビリティを探る:リアルタイムの市場情報は宝であり、協業他社と顧客は最良の市場機会である。次の四半期報告書を待っていてはならない。

(5)顧客の抱える問題を見直す:これまでとは違う考え方をしよう。AC(アフターコロナ)における顧客の行動は、BC(ビフォーコロナ)とは変わるはずだ。したがって、自社が解決すべき顧客の問題を再検討し、いまから準備を始めよう。

(6)自社開発主義症候群から脱する:自前での開発のみに頼るのはやめよう。いまこそ、社内外で使えるどんなリソースでも結集させるべきときである。他社とパートナーを組み、新しい市場にソリューションを提供しよう。

 商機と脅威が現れては消えていく新しい市場では、分散投資によってリスク回避を図ることが常に重要であった。事業をエコシステムとして構成することは、リスクヘッジと成長につながる。これこそがいま、世界中の企業にとって――そしてコロナ危機においては特に――激動の時代に競争するうえでの真理なのだ。


HBR.org原文:In a Crisis, Ecosystem Businesses Have a Competitive Advantage, April 23, 2020.


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