●部下をインスパイアするよう努力する

 ふだんは見せない底力を発揮しよう。「自分のチームに能力があることを断言」して、皆の協力を促せるような、やる気を奮い立たせる言葉を使うとよいと、エドモンドソンは言う。「私は、皆それぞれ能力があることを信じている。それ以上に、協働した場合に発揮する能力を信じている。一緒にやればできるでしょう」と語りかけることをエドモンドソンは勧める。

「どんな問題に直面しているか」を認めて、この先に困難が待ち受けていることを認識する。しかし同時に、「耐えなければならないことに、耐える力があると感じていることも伝える」のだ。

「皆がこの危機を乗り越えられるだろうという期待」と、自分の組織の「長期的な将来を信じている」ことを告げるべきだと、アージェンティも述べる。また、いまの状況で「できる限りの熱意を示す」とよい。そのときの口調は、「ポジティブすぎても、ネガティブすぎてもいけない」と彼は付け加える。

 ●支援を申し出る

 最後に、チームのメンバーそれぞれの懸念やストレスを理解すべく、格段の努力を払うことが大切である。「他人の感情を変えることはできない。あなたにできることは、彼らが抱いている恐れを最小化することだけだ」とアージェンティは述べる。

 部下のほとんどがリモートワークしているため、オフィス内での立ち話を通して、彼らの感情的な揺れ動きをうかがい知ることはできない。チームが物理的に一緒にいないときに損なわれるものは、何度Zoomミーティングを開いても「なかなか補完できない」。

 だからこそ、定期的にメンバーの様子をチェックして、「皆がどんな状況にいるか」を把握するように努める。人々の発言や問いかけに注意深く傾聴すること。ほとんどの人は、大丈夫だと言われることを必要としていると、アージェンティは述べる。「できる限りの安心感」を与えてあげよう。

 ●覚えておくべき原則

【やるべきこと】
・自分がリーダーとして難問に直面していることを理解する。あなたは、危機のさなかにどうすれば成功できるかを、皆に教えようとしているのだ。
・部下の視点に立ち、自分がその立場だったらどんなことを聞きたいかを考える。
・チームのやる気を引き出し、士気が上がるような言葉で励ます。伝えるべきメッセージは「一緒に乗り越えよう」。

【やってはいけないこと】
・推測してはいけない。現場の事実に関して正直であれ。
・悪い面を隠してはいけない。そんなことをしても、ウソつきか、実態を把握できていない人に見えるだけだ。
・個人的なつながりをないがしろにしない。チームのメンバーと1対1、あるいは小グループで会話を交わし、サポートしよう。