Illustration by Alex Eben Meyer

リーダーとして新しい役職に就き、部下と信頼関係を築くために最も重要なのは、就任初日の振る舞いである。あなたに対する最初の印象や評価は、その後もなかなか変わらないからだ。最初の会話で部下から支持を得られるか否かは、リーダーのパフォーマンスに大きな影響を及ぼす。本稿では、「ニューリーダー・ピッチ(新任リーダーのプレゼンテーション)」で何を語るべきか、また何を語ってはいけないのかを具体的に紹介する。


 リーダーとして新しい役職に就くことは、経験豊富な企業幹部にとっても、新米の現場管理職にとっても、手ごわい難題であると同時に、刺激的な経験でもある。それにどのように対処するかは、あなたのキャリアにきわめて大きな影響を及ぼす可能性がある。

 上司や主要な利害関係者だけでなく、直属の部下とも、最初からうまくやっていかなくてはならない。ある研究によると、新任リーダーは、90日間の計画を立てて30日目60日目に節目を設定して行動すると、成功の可能性が高まるという。

 こうした手法がとても有効なことは間違いない。しかし、直属の部下は、これらの節目に到達するずっと前に、あなたがどのような人物で、どのような結果をもたらすかという評価を下す。

 むしろ、最初の会話を通じて部下が得た評価には「粘着性」がある。その評価は、時間が経ってもなかなか変わらないのだ。

 そこで、リーダーとして部下と向き合う「1日目」の計画が重要になる。私の言葉で言えば、「ニューリーダー・ピッチ(新任リーダーのプレゼンテーション)」を欠かしてはならない。

 起業家は、資本を持っている投資家に対してビジネスアイデアを売り込む必要がある。同じように、新任のリーダーやマネジャーは、人間関係資本や人的資本を持つ人たちに、自分を支持してもらうよう売り込まなくてはならない。ここでどの程度の支持を得られるかは、そのリーダーやマネジャーのパフォーマンスに直接的な影響を及ぼす。

 幸い、直属の上司はすでに、あなたにさまざまな資源を「投資」している。その人物は、あなたがどのような人物かを知っているのだ。その人があなたを抜擢した場合も多いだろう。それと異なり、直属の部下たちは、まだ(少なくとも最初の時点では)自発的にそのような「投資」を行っていない。

 思い違いをしてはならない。あなたがマネジャーだの副社長だの「最高〇〇責任者」だのといった肩書(つまり、正式な権力)を持っているというだけで、部下がついてきてくれるとは限らない。部下の心をつかむ必要がある。

 そこで、そのための戦略を持ち、話すべきテーマをリストアップして、それを初期に部下と話す際の手引きにすべきだ(ただし、話す内容を台本の形で用意するのは避けたほうがよい)。

 大人数のグループをマネジメントするなら、そのような対話は、おそらく全員の前で行う自己紹介という形で始まる。そして、そのあと、数日かけて一人ひとりと面談することになるだろう。