新たなワークショップ、「Tech for the C-Suite」

 ここで、ゾウの話をしたい。

 ポストコロナの世界で新たな競争優位を築きたいのであれば、従来のようにテクノロジーを特定の課題解決の道具として考えてはだめだ。目の前に大きな岩があって進むべき道をふさいでいたとしよう。その傍らに大きなゾウがいたら、多くの人は「このゾウを使って、岩を動かそう」と思うのではないか。

 しかし、ゾウはただ大きくて力持ちなだけではない。鼻を使って物を運んだり、水を吸い上げたり、地面を掘ったりすることもできる。ゾウの平均睡眠時間は哺乳類の中では最も短い部類とされ、活動時間は長い。そして、記憶力もいい。

 道をふさぐ岩にだけ目を奪われていると、ゾウを使って岩を動かすことしか思い浮かばないが、「ゾウは(自社にとって)何をもたらしてくれるのか」と考えると、ゾウが活躍する場がまったく違ってくる可能性がある。

 テクノロジーについても、同じことが言える。テクノロジーがもたらす可能性を広い視野で検討し、自社の競争優位にどう使うかを考えてこそ、その潜在力が最大化される。それこそが、経営者にとっての大きなミッションである。

 我々モニター デロイトでは、テクノロジーが戦略に与えるインパクトを経営者とともに考える「Tech for the C-Suite」(T4CS)の提供を開始した。このワークショップは、CEOをはじめとするCxOとその直属チームを対象としたものだ。

 T4CSは特定の課題解決を想定したワークショップではなく、例えば、AIやクラウド、5G(第5世代移動通信システム)などの新しいテクノロジーが自社に何をもたらすのか、戦略にどう影響するのか、それを使ってどのように競争優位を築けるかといった命題を、幅広い視野で議論する。

 2019年6月に東京・丸の内に開設したイノベーション創発施設「Deloitte Greenhouse」(デロイト グリーンハウス)において、デロイト トーマツ グループのさまざまな専門家を交えて、じっくりと考える内容となっている。

 新型コロナの影響で今後も対面でのワークショップが開催できない事態に備え、ビデオ会議ツールを駆使し、リモートで行う準備もできている。規模を縮小した形で無償でのアドバイザリーの提供も行っており、ぜひ多くの経営者の方々にご利用いただきたい。